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「感動の再会ってやつだね」
彼はそう言った、その空気に場違いな拍手をただ一人贈って。
彼らは険悪な雰囲気だった、というか見たことがある……そうだ、帝国学園の人達か、影山は彼らをスカウトしてチームを作ったのか。
「おっと、翠チャン？
アンタはこっちだ」
不動に手首を掴まれて、彼の元へと引き寄せられる、風丸はそれを見て血相を変えて私を呼んだ。
「……分かった」
「翠……！！」
「大丈夫、そう簡単に死なないよ」
「でも、」
「ちゃんと戻ってくるから」
「ほら、行くぜ。
総帥がお待ちだ」
心配そうな彼を他所目に、私は手首を掴まれたまま目の前の彼について行った。
潜水艦の中は無機質な感じがして、京都のあの夜よりもずっと居心地が悪い。
2人分の足音が反響する中、不動は口を開いた。
「なあ」
「何だ」
「大海の奏者だったんだな」
「…………そうらしいな」
他人事かよ、と嫌味ったらしく言われたので、素直に記憶が無い事を彼に申した。
「は」
「生まれてから10年分の記憶が無いんだ。
だからさっきのロバートと言うやつのことも、その異名として活躍したことも何も覚えてないんだ」
足首の神経もイカれてるからもう全盛期のように走り回れない。
「……」
「だから本当に、ロバートなんて知らないよ」
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作者名：久坂朧@三色団子と朧は神 | 作成日時：2020年9月17日 21時
