36皿目 ページ38
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先「あんたが折原?」
セ「はい、そうですが………
どちら様ですか??」
先「俺はこの向かいに住んでるAちゃんの知り合い。」
セ「そうなんですか。あ、じゃあ…………」
センラさんがこちらを向いた。
嫌だ、あの先輩には……会いたくない。
この時間に先輩が私に用があるなんておかしい。今日の下校時のこともあるし…。
セ「………。
えーと、それで僕になにか用ですか?」
先「あんた、Aちゃんと付き合ってんの?」
セ「付き合ってませんよ?ただの隣人です。」
先「ただの隣人のわりにはさ、仲良すぎじゃね?俺の友達が見てんだよ、お前らが一緒にこの部屋に帰ってきてたの。」
セ「…っ。」
先「何、あんた。まさか未成年に手ぇ出してるとか?それってさ、やばくね?」
セ「僕らはただ一緒にご飯食べているだけですわ。」
先「ふーん。てことはAちゃんここにいるんだ。」
センラさんの営業スマイルが引き攣る。
先「俺さ彼女に用があんだよね。
だからちょっとAちゃん出してくんない?」
セ「嫌です。」
先「は?」
セ「君のこと思い出しましたわー。
朝、嫌がるAちゃんに話しかけてガン無視されてましたよね。」
やっぱりセンラさん、朝の見てたんだ…。
先「…うっざ。じゃあもういいや。
あんたのことネットで拡散しとくから。
あんた、ネットの中じゃアイドルみたいなもんなんだろ?住所バラしてやろーか?
リスナーがどう反応するか楽しみだな。」
どこまで最低なんだあの野郎は。
考えるより先に身体が動いてた。
「先輩。やめてください。」
先「あ、Aちゃんこんばんは。」
先輩はいつものへらへらした笑みを見せる。
私はこの人の笑顔が怖い。
何を考えているのかわからないこの人のが。
セ「Aちゃ…」
「センラさん」
セ「っ。」
「お弁当箱、キッチンの上においてます。
まだ、洗えてませんが………。
申し訳ないんですが洗っておいてもらえますか?明日お礼はしますから。」
普段使わない顔の筋肉を使って
精一杯の笑顔で。
心配しないでください。
私のせいでセンラさんの生活を壊すのは嫌です。
私のせいで誰かの人生を壊すのは
もう嫌なんです。
センラさんを玄関に残して、
ドアが閉まる。
ガチャン…
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まりあ 裏千家 - センラさんは推しだし主人公は面白いし...どタイプの作品で嬉しいです!最後のほうでセンラさんが自分のことを"センラ"って言ってて萌えました。これからも頑張ってください応援してます!! (2019年3月13日 22時) (レス) id: 4cddf3a5c1 (このIDを非表示/違反報告)
しゃけご飯(プロフ) - 空ノ水雲さん» ありがとうございます(´TωT`)全力待機させて頂きます!!!!!! (2019年2月3日 2時) (レス) id: 459be71871 (このIDを非表示/違反報告)
空ノ水雲(プロフ) - しゃけご飯さん» コメントありがとうございます! そんなに褒められると照れますなぁ(*´▽`*) センラさんの作品ですね!お任せ下さい!! (2019年1月29日 19時) (レス) id: 32c671349e (このIDを非表示/違反報告)
しゃけご飯(プロフ) - あ、後…センラさんの作品また書いて欲しいです(厚かましくてごめんなさい(/. .\)) (2019年1月29日 1時) (レス) id: 459be71871 (このIDを非表示/違反報告)
しゃけご飯(プロフ) - 初めまして!他の作品も前々から読ませて頂いてたのですが、自分の推しというのもあるのかこの小説が大好きすぎて思わずコメントしております。ギャグ系も行けてしまう空ノ水雲さんの作風とても好きです!これからも読みまくります! (2019年1月29日 1時) (レス) id: 459be71871 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:空ノ水雲 | 作成日時:2018年9月26日 0時