隣人のお兄さんが料理上手だった件について。【センラ】

13皿目 ページ14

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「私なんかがボカロPさんなんて才能がなくて到底なれないものですよ」



結局私は嘘をつくことにした。
センラさんには悪いけれど、私はただの隣人の
女子高生のままでいかせてもらう。



セ「そうですよね、すみません変な事聞いて。」



う、ごめんなさい、罪悪感が……。




それにしても志麻さんとセンラさんって
仲いいんだな。
大手歌い手さんと仲いいってなんかかっこいい。



「センラさんって志麻さんと仲いいんですね」




セ「ええ、まぁ一応付き合いも長いですしね」



「最近よく聞くんですけど志麻さん歌上手いですよね」



セ「確かにまーしぃはかっこいい歌い方出来るんで羨ましいですわ。

というか、浦島坂田船の中でピンポイントで
まーしぃのみを知ってる子って珍しいですね」



「あー、えっとリーダーの方がうらきつねさん？でしたっけ」



セ「たぬきです。うらたぬき。」



「あぁ、その人です。
あとのお二人はまだよく知らないんですけど…」




なぜかセンラさんがしゅんとしている気がする。なぜだ…。

もしかしてうらたぬきさんのファンで
名前間違えられたことにショックを受けてるのか！？



「す、すみません！にわかなもんで…
その、うらたぬきさんのファンだったら
失礼なことをしたと思ってます！」




セ「…うらたんのファンというか…
同業者なんやけどな((」



「同業者？」



セ「あ、いやなんでもないです」



うらたぬきさんと同業者…で、志麻さんと
仲がいいってことは




もしかして




「センラさんって歌い手さんなんですか？」





セ「僕なんかが、歌い手さんなんて
才能がなくて到底なれないものですよ。」



そう言って軽く会釈をすると、センラさんは改札をくぐって行った。






なんでだろう。





渡されたお弁当袋が石のように重く感じて、
その場から動けなくなっていた。







私の嘘に気づいてるんだ。
だから同じ嘘のつき方をしたんだ。




やってしまった…………。




絶対嫌われた…。

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