隣人のお兄さんが料理上手だった件について。【センラ】

10皿目 ページ11

センラside




風呂から上がり、髪をふいていると
歌声が聞こえてきた。




♪。.:＊・゜

作ってくれたもの 少し甘みが足りないな
大さじ一杯の期待をしていた
あの日の自分が情けなくて
目をつぶるほどに味覚は鋭くなってゆく

刺激が強い炭酸水に溺れるのはつらい
どうせ溺れるなら君がいいと

空になった皿を差し出して


君を思う度に甘さを求めてしまう自分がいる。押し殺した気持ちは気づいた時には
すでに腐り切ってしまっていた。

隠し味だけがうきでて、味を乱して
壊してしまうのを恐れるから
この関係を続けていくしかないようだ。

ねぇ。

♪。.:＊・゜




綺麗な透き通る声。



キッチンの方へ行くと、彼女が歌っていた。



「…っ！！」




僕を見て、ぎょっとする。




「あ…、えっと聞いてました……？」



セ「えぇ、綺麗な声やなぁって。」



「忘れてください。」



セ「無理です」



「……最悪だ……。」



セ「今のなんて曲なんですか？」



なんとなく気になったので
質問してみた。


すると彼女は少し困った顔をした。



「…えーと…えーーと……忘れました」



セ「あら残念。思い出したら教えてくださいね。」




ﾋﾟﾝﾎﾟｰﾝ…




あ、そういや今日来るって言っとったなぁ。
忘れてた。



「誰か来ましたよ？
じゃあ私は帰りますね。」



セ「また、明日一緒に食べましょ」



「はい」



彼女がドアを開けると




し「よっ！」



まーしぃがいた。



し「あれっ！？センラさんが女の子入れとる
なん？セフr((」



セ「お隣さんや。ボケ。」



し「あー、なるほど。こんばんは〜」



「こ、こんばんは」



し「生脚…(((ﾎﾞｿ」



こいつ…。
もう変な目でしか見てへんやん。



「生、脚？？」



セ「あかんよ、Aちゃん
こんなのと話しとったら変態がうつります｣



し「センラさん酷いなぁ」



「…志麻さん………？」



し「へ？」



「あ、いや、なんでもないですっ！」



し「え、もしかして、君crew？」



「くるー？」



セ「まーしぃ、違うやろ。crewやったら
まーしぃとか僕の顔知っとるやろうし」



「ええと、歌い手の志麻さんですか？」




もしかして、この子志麻リスさん…？


‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐



センラさんお誕生日おめでとうございます！
あなたの歌う失恋ソング大好きです！！
10.03

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