呪霊食べる系幼女に転生しちまったんだが【呪術廻戦】

ゝ･捌 ページ8

「……扇一Aです」


やっとの思いでそう言えば、あとを引き継いで夜蛾先生が説明してくれる。正直めちゃくちゃありがたい足ガクガクしてるんですよ今着物の下で。


「特殊な呪いを受け継いでる関係で、この見た目だが実年齢は四つだそうだ」
「……先生ボケたか？」
「そうかもしれないね、この夏の暑さで頭イカれたんだろ」


ひでえ言われようである。思わず哀れみの目を向けると「いつもの事だ」と返された。いいのかそれ、いつもの事で済ませちゃって。


「扇一っていうと、禪院家の分家のひとつか」


さっきまで夜蛾先生をボロクソに言っていた黒髪のイケメン──夏油傑が、一転真面目な顔をして聞いてくるので私は曖昧に頷いた。多分、そのはずだ。昨日御当主様に挨拶したし。


「呪われてるってなんの呪い？」
「僭越ながら私が説明致します。私、A様の付き人の燕と申します」


丸グラサンのイケメン──五条悟が気だるげに聞いてきたのを、私の代わりに燕が受けてくれた。


ナイスだ燕！私は何もわからんのでな！


「御身に掛けられし呪いは『輝夜姫の詛』──……常人の約三倍早く成熟し、五倍遅く老いる代わりに、多大なる呪力を宿されています」
「てことは……人生のほとんど、20代前後の体で過ごすってこと？うーわ、キツ」


かわいい黒髪ボブの女の子──家入硝子は他人事のようにそう言った。まあ他人事だからな。


燕はちらりとそれを一瞥し、まだ話し続ける。おっいいぞ、私に関する情報じゃんじゃん吐いてくれ。


「A様はそれに加え、術式『劫腔』も受け継いだお方。ひとたび触れれば呪霊は御身の腹に落ち、溶かされ糧となるを待つのみとなるのです。他者の呪力、術式さえものにする『劫腔』、それに『輝夜姫の詛』までも加わった逸材は、これまで千年産まれてこなかったのです」


いや思ってたよりすごいな私おい。呪力と術式ゲットできんの？衝撃の事実だわ。


せめてお母さんそれ説明してから私送り出して欲しかったな。燕付けてくれたからグッジョブで結果オーライだけどもね。

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