ゝ･玖 ページ9
「チートじゃん」
「道理でその年齢でここに連れてこられてるわけだね」
「てかそれ、五条の術式も効かないんじゃね」
と硝子さん。はた、と気付いたように五条悟が私を見るので、私もそれをまっすぐ見返した。
う〜〜わ美しっ。うちの燕も美人だけど五条悟はなんかもっと、西洋人形チックな華やかなきれいさがあるな。
「ん」
ひらりと掌を差し向けてくる五条さん。……うん？ん？どういう意図？ぱちぱちと目を瞬かせると「触ってみろって」などと言われてひっくり返るかと思った。
ごごご五条悟の玉体に私が触！？？いいんですかそんな呪われませんか大多数に。助けを求めて燕を見ると、「まあよろしいでしょう」などと頷かれてしまった。何がよろしいんだよ。
それにその路線で行くと私五条悟の呪力吸い尽くしちゃうのでは……まあでも燕がGOサイン出してるならそれはないか。
私は恐る恐る、その手に手を伸ばす。指先が柔い、自分のそれよりは少し硬い掌に触れる。少し高めの体温が分かる。
触れちまったが。なんの障害もなかったが。マジで使ってたか？と五条さんを見れば大層びっくりしている様子。
？？？ていうかなんか口の中がおいしい。生クリームのなめらかな味わいにブランドショコラの口どけと諸々がマリアージュしたみたいな……
「無下限呪術……五条家相伝の術式ですね。お嬢さん、お味は如何でしょう？」
「たいへんにおいしい……」
「それはようございました」
困惑する私と五条さん、それらを見て愉快そうな顔をした夏油さんと硝子さん。夜蛾先生は黙って見守っているし、燕はただ微笑んで私を見るばかりである。
「ねえ五条ってどんな味すんの？」
「エッ……どんな……三ツ星レストランのデザートみたいな味……？」
その答えに、あーなんか想像つくわ、と硝子さんは笑った。
「私家入硝子ね、よろしくA」
「！……うん、よろしく、硝子さん」
「硝子でいい」
硝子さん、もとい硝子は屈託なく笑って言った。ｸﾞｩﾜｯ……イケ女ッ……！私もこうなりてえ！
何故だかやたらと表情筋を動かしづらいが筋肉に鞭打って笑顔を向ければ、「笑顔のがいーじゃん」などとの言葉を頂いてしまった。
私硝子の夢女になりそうだよ。
「私は夏油傑だ。傑で構わないよ」
「あ？俺も言う流れじゃねぇかよ。……五条悟」
存じ上げておりますなどとは口を滑らせられない。私はうんうんと必死に頷きながら、「よろしく」とやっとの思いで返すのだった。
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ニノ崎(プロフ) - めっちゃ面白いです，，，好みドストライクです！これからも応援しております。後，伍話目の美美美ー美・美ー美美ってまさか某マルハーゲ帝国()のパロですか() (2021年3月2日 18時) (
レス) id: 159ece0998 (このIDを非表示/違反報告)
ぱるさん(プロフ) - みもなるーと。さん» 丁寧なご感想たいへん嬉しいです、ありがとうございます！燕は扇一の自立に必要な犠牲だったのでちょっと……ね……これから扇一夢主、ガンガン男前に磨きがかかって参りますので何卒お楽しみ頂ければ幸いです！ (2021年2月26日 19時) (レス) id: 96fc810d06 (このIDを非表示/違反報告)
みもなるーと。(プロフ) - なんだかクソデカ感情を向けてしまった（？）夢主に恋してしまうかと思ってしまいましたね… 最近は天候が崩れやすいのでお体に気をつけて無理せず頑張ったくださいチュチュ… (2021年2月26日 17時) (レス) id: d641c5035a (このIDを非表示/違反報告)
みもなるーと。(プロフ) - な、なんだこの小説は今まで生きてきた私へのご褒美かご褒美なのか。夢主のどこか達観した想像力などに惹かれました。燕さん私の推しだったのに食べちゃいましたね…やはり愛とは、呪いなのかしらと再認識できた気がします。素晴らしい小説をありがとうございます。 (2021年2月26日 17時) (レス) id: d641c5035a (このIDを非表示/違反報告)
ぱるさん(プロフ) - 43yomi1さん» ありがとうございます〜〜！！！更新頑張ります！！ (2021年2月26日 16時) (レス) id: 96fc810d06 (このIDを非表示/違反報告)
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