そのリビングデッド、阿呆の子。【文スト】

そういえばアホの子でした ページ32

「そうだ僕携帯の電源切ってたわ」


音沙汰無しも糞もなかったね！やっべ中原さんに潰される！(物理)


急いで電源を入れる。電話帳を探す。


中原さんを呼ぶ。


何故って？あの人何か知らんけどこういう時一番に掛けないと拗ねるんだよ。面倒臭いよね！



「…あ、もっしもしー、中原さーん？僕ですー」

『！？手前ッ…今まで何してやがった！』

「すみません諸事情あって出れなかったんです！
一応無事なんで心配しないで下さいね！」

『…ッ、はあ…もういい、何か色々悩んでたの阿呆らしくなって来た…』

「えっ？…若しかして若しかすると心配なんかしてくれちゃってたんです？」



そろっと聞いてみると、電話向こうから「はぁっ！？」と焦りまくりの声が聞こえた。


うん、久し振りの僕の上司可愛い！



「その反応だと図星ですねー？」

『だっ……あー…もう、糞…笑うなら笑えよ』

「顔が真っ赤なのが目に見えるようですねえ。
…まあでも笑いませんよ。純粋に嬉しいです！」



僕は見えないけれど満面の笑みを浮かべた。


嬉しかったのだ。僕は要らないものじゃなかった。


ものじゃなかった。


少なくとも彼にとっては「一人の人」であり「部下」である。


その事実がとても擽ったくて、嬉しくて。

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