そのリビングデッド、阿呆の子。【文スト】

掛け持ちは一回やるとやめられない ページ29

「この作品が続編行ったらフェージャかポオさんオチの小説書くそうですよ」

「誰よフェージャって」

「ドストエフスキーです」



フョードルって名前の愛称はフェージャなんだぜ。


え？僕と彼の関係？…まあ孰れ分かりますって！



「ねえねえルーちゃん、次はこんなお洋服どうでしょう！」

「…貴方、意外と器用ね」



仮縫いしたドレスを見せてみると、ルーちゃんは目を輝かせながら皮肉った。


可愛いなあ！組織の女の子可愛いなあ！


勿論マフィアの女の子も可愛かったけど！銀ちゃんとかひぐっちゃんとか！



「貴方、組織に入るの？」

「マフィアの人が迎えに来なかったらそうするつもりですよ？」

「如何して？貴方には帰る場所があるじゃない」

「迎えに来ないというのは、即ち、「見捨てられた」という事になります」



僕は仮縫いの糸を解いてミシンで縫いながら答えた。


ここの襞はもう少し大人しくしようかな、とか、そんなことを考えながら。



「そうすれば僕の帰る場所は無くなるのです。受け入れてくれるこの組織以外には」

「…貴方…」

「ああ、いえ。そうなったとしてもね、不思議と悲しくはないんですよ。
きっとここの皆が優しくしてくれるからです。
僕は、結構ここの皆が好きですよ」



にっこりと笑う。それは紛れも無く本心だった。


中原さんも、正史も、僕がいなくても確り生きていけるし。


ああ、でも、エリスたんは泣いてしまうかもしれないなあ。



「…莫迦ね」

「よく云われます」

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