【追いかけてテラスへ出る】 ページ27
ナイルさんを追いかけてテラスへ向かう。
後ろ姿は意外とすぐに見つけられた。広いテラスの先にナイルさんの背中が見える。足が早いのか追いかけても追いかけても、ナイルさんに追いつけない。
なんで、そう考えた時だった。ぐっと肩を後ろに引かれる。
「Aサン！それ以上はダメです！！」
振り向くと八雲さんがいた。肩を抱きしめる八雲さんに驚いて動きを止める。
「この柵は落下防止のためについているものですよ？落ちてしまったらどうするんですか？！」
『さ、く……？』
言われて自らを確認する。八雲さんの言う通り、ベランダから身を乗り出していた。片足が柵の外側にあり、重心が前に掛かれば落ちそうだ。
『ひっ……』
一気に体が硬直し、動けなくなる。
「……Aサン、足を柵の内側に戻せますか？」
落ち着いた八雲さんの声が耳元で響く。いつものより少し低い八雲さんの声に導かれ、私は足をゆっくりと動かす。
私の両足が床に着くと、八雲さんが安心したようにほっと息をついたのがわかった。しかし、私の頭の中は消えたナイルさんでいっぱいだった。ぼんやりとナイルさんが去ったベランダの先の空間を見つめる。
そこに広がるのは見れば見るほど“夜空”だ。
ナイルさんの姿はない。
「Aサン」
声を聞いて視線を八雲さんへと向ける。
向けると同時にグッと背中を押され、私の体は八雲さんの胸を張って板へとぶつかった。
『？！』
「私は、Aサンの思いも、考えも、受け入れられる限り受け止めたい、そう思っています」
いつもの明るい声ではなかった。
諭すような声で話す八雲さんの顔は真剣で、目が逸らす隙もない。目と目が合い、背中を冷や汗が伝った。
「人にはそれぞれの考え方があります。それは重々承知です。わかり合う上でその考えを受け入れることの大切さを私は知っています。ですが……だからこそ、今回の行動は見過ごせません」
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小崎相良(プロフ) - Koma?さん» お返事遅くなりすみません！ありがとうございます！ (2022年1月22日 18時) (
レス) id: 6783c5a7bd (このIDを非表示/違反報告)
Koma?(プロフ) - ちょーぜつ面白いですね！最近めいこい見始めて最初に出会った作品がこれで良かったです！ (2022年1月16日 11時) (レス) id: 286de14237 (このIDを非表示/違反報告)
小崎相良(プロフ) - 二酸化酸素さん» ありがとうございます！嬉しいです！ (2021年7月21日 22時) (レス) id: b1e523f101 (このIDを非表示/違反報告)
二酸化酸素(プロフ) - 本当にゲームをしてるような気分になりました (2021年7月19日 1時) (レス) id: f6be19e74d (このIDを非表示/違反報告)
小崎相良(プロフ) - 鈴華さん» 楽しんでいただけたなら幸いです(o´艸`)！こちらこそ閲覧頂きまして、ありがとうございました！ (2020年8月4日 23時) (レス) id: 5536140bcb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：小崎相良 | 作成日時：2020年2月23日 10時
