第卅肆話＿警察官 ページ37
低音の声が聞こえて振り返り、視界に入ったのは深い緑色。立っていたのは長髪の男性だった。
服装と腰に下げた武器を見るに、軍人か何かだろうか。渋く低い声を持つその男性は小泉さんの肩に手を置き、鋭い目つきで彼を睨みつけている。
「……また貴様か……ここで一体なにをしている？」
大きなため息を吐いて呆れ顔になる男性。
「ワォ！藤田さんではないですか！実はヤマタノオロチの目撃情報を聞きつけましてねぇ……詳しい情報を得る為、このあたりの方に話を聞いていたのですよ！」
「……この辺りで妖ものについて尋ね回っている輩がいるとの通報を受けたが？貴様は何度繰り返したら気がすむ……」
『……』
通報が入るほどに聞き回ったということか。熱心なのは感心するが、熱を入れる方向が間違っているような気がする。
そしてこの長髪の男性は警察官だったようだ。容姿を見て、軍人かと思っていたが違ったらしい。
私がよく知る警察官のあの紺色の服装は、もっと先の時代になってからのものなのだと初めて知った。
感心するように眺めていると、目が合う。
「……お前も災難だったな」
「災難とはなんですか！物の怪について尋ねられることが災難などという事はありえません！物の怪サンは実にキュートなのですから！そうでしょう……？」
小泉さんが頭を少し傾げてこちらを見つめる。
『え』
「災難以外のなんでもないだろう。魂依ならまだしも、見えもしない一般人がヤマタノオロチについて尋ねられたところで応えられんだろうに」
警察官の男性は大きな溜息をつく。
確かに小泉さんに話しかけられて驚いた。しかし、それよりも魂依という部分が引っかかる。
『あの、私魂依です』
「「！？」」
私の言葉に2人はこちらに振り向くと、目を見開く。
やはり魂依は珍しいのだろうか？鏡花くんも希少な存在だと言っていたしきっとそういうものなんだと思っていたが……何か間違っていたのかもしれない。
もしかして人には言わない方が良いことだったのかと不安になった。
しかし私の気持ちとは裏腹に、小泉さんは目を輝かせる。
「それは本当ですか？！」
『え、はい、多分……』
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小崎相良(プロフ) - あららさん» コメントありがとうございます！私も芽衣ちゃん好きです！こちらこそ、これからも宜しくお願いします！ (2019年6月30日 20時) (
レス) id: bb37bfea9e (このIDを非表示/違反報告)
あらら - めちゃくちゃ面白いです！めいちゃん好きなんで話に出てきて嬉しいです！これからも更新を楽しみに待ってます！ (2019年6月29日 23時) (レス) id: 3866ce7f97 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：小崎相良 | 作成日時：2019年6月15日 0時
