衝撃の嚆矢。 ページ46
レオナは人だかりからハンジの姿を見つける。
「行ってくる。」
「あぁ。」
ハンジのほうへ駆け寄ると、ハンジも動揺している。
「副兵長･･･分隊長･･･指示を。」
流石のレオナも頭が動揺で回らない。２人とも声さえ出てこないのだ。
「レオナ･･･これはたまたまあそこにだけ･･･？ それとも･･･。」
ハンジのその問いかけに、巨人に囲まれている気がしてレオナの背も凍る。恐怖が先行し、体が震える。すると、ハンジの肩に手が置かれた。
「あの巨人に、日光を当てるな！！」
振り返ると、息を切らせたニックが青ざめて訴えていた。レオナは、我に返るとすぐに対策を考えた。
「ここに残っている調査兵は、壁に上ること！憲兵はなにか覆うものを！」
「はっ！！」
レオナとハンジの的確な指示で、壁の中の巨人を覆うことに時間はかからなかった。
「憲兵の皆さん、ありがとう。」
「おい、レオナよ。」
働いても無いのに疲れている憲兵達に、レオナは立場上の感謝の礼をするとリヴァイが駆け寄ってきた。
「報告書はこれでいいか？」
仏頂面で報告書を広げる。
「何で･･･これを。」
「怪我で動けねぇからな。休む暇はまだないらしい。」
リヴァイなりの気遣いだ。
「無理するんじゃねぇ。俺はエルヴィンを迎えに行く。」
「ありがとうね、リヴァイ。」
レオナは、ハンジ達が目の前にはいるものの少しリヴァイをぎゅっと抱きしめ、と立体起動へ移った。
「あの。馬鹿が。」
リヴァイのそんな照れ隠しも聞きながら。
「モブリット。ニック司祭を一緒に連れてきて。」
「了解。」
覆っている所まで到達すると、レオナはまた少し震える。自分らを守っていたものが、自分らの天敵であるのだ。
「レオナ連れてきたぞ。」
壁の上について少ししたところで、モブリットが司祭を連れてきた。司祭は壁に上に着くなり、レオナの隣で猫のように背を縮めて覆っている所を伺う。
「さて、そろそろ話してもらいましょうか。この巨人はなんですか、なぜ壁の中に巨人が居るのですか、そして何故貴方方はそれを黙っていたのですか。」
ハンジはニックに詰め寄っていく。
「私は忙しい、教会も信者もめちゃくちゃにされたお前らの所為だ。後で被害額を請求する。さぁ私をここからおろせ。」
服についた塵を払いながら、意気揚々とニックは言う。
「いいですよ。」
ハンジは、ニックの胸倉を掴んだ。
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小西 利音(プロフ) - ナルさん» コメントありがとうございます！ミルミハになってました？！すみません指摘ありがとうございます (2019年7月3日 2時) (
レス) id: 0660aea05f (このIDを非表示/違反報告)
ナル - すごく面白かったです！！更新頑張って下さいあと、ミルミハ区ではなく、エルミハ区ですよ!! (2019年6月21日 17時) (レス) id: 4a1c354212 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：小西利音 | 作成日時：2017年4月11日 12時
