彼を信じる涙。 ページ45
すると、黒い影がエレンの所まですばやく移動する。それが誰か、レオナはすぐにわかった。
「リヴァイ。」
涙まで出るほど願ったレオナは、その大好きな見慣れた背中を見守り、涙を流しきった。
「大事な証人を食うんじゃねぇよ。馬鹿野郎。」
レオナはゆっくり降りると、リヴァイらのほうへと駆け寄った。巨人化の解かれた蒸気の隣で骨のみが残り、アニを覆う結晶体と気を失ったエレン。ジャンはぼろぼろになったブレードで、アニを叱りつけている。「落とし前」をつけろと。寄ってきたエルヴィンは、ジャンを止める。
レオナやエルヴィンはこの結果まで見えていたが、ハンジは見えていなかったらしい。ハンジはアニの処置を兵士達に伝えて業務をこなしているが、流石のハンジもこの結果に動揺している。
「作戦成功とはいかねぇな。」
リヴァイは、連行されるエルヴィンに声をかける。
「いや、我々調査兵団の首はつながった。」
「首の皮一枚だけどね。」
リヴァイの隣に居たレオナは皮肉をこめる。
「だといいが。」
リヴァイはため息をつき、また足を進めた。
「リヴァイ、よくエレンを助けてくれたね。」
「当たり前だ。」
リヴァイは、レオナの腕の引いて建物の影に入る。レオナが驚いている間に、リヴァイのにおいがした。珍しく部屋以外の場所でレオナを抱きしめた。
「無事か。」
「もちろん。」
リヴァイの腕に力がこもる。リヴァイ班のことがあってすぐだからだろう。
「レオナ、泣いたのか？」
リヴァイはレオナの輪郭をなぞると、その整った顔で心配の表情を浮かべる。涙痕がついたままだったらしい。
「エレンが食われるときに･･･ね。私じゃ間に合わなくて、リヴァイが助けてくれて安心して･･･。」
リヴァイは満足そうに鼻を鳴らして、レオナをもう一度抱きしめ、キスをした。リヴァイの独特な大好きな香りが心身を包む。ぬくもりや、気持ちさえしっかり伝わってきた。
「きょ、巨人だ！」
「本当だ！何であんなところに？」
もう一度泣きそうになっていたレオナの涙を引っ込めるような声が聞こえる。
「巨人が」なんていう言葉を聴いて調査兵モードに切り替わらないわけが無い２人は、すぐにその声のほうに向かった。
「え？」
物陰からすぐに出ると、光景はすぐに目に飛び込んできた。壁の中から巨人が目を開き、こちらを見下ろしているのだ。
「これは、どういうことだ。」
リヴァイの声さえ震えた。
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小西 利音(プロフ) - ナルさん» コメントありがとうございます！ミルミハになってました？！すみません指摘ありがとうございます (2019年7月3日 2時) (
レス) id: 0660aea05f (このIDを非表示/違反報告)
ナル - すごく面白かったです！！更新頑張って下さいあと、ミルミハ区ではなく、エルミハ区ですよ!! (2019年6月21日 17時) (レス) id: 4a1c354212 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：小西利音 | 作成日時：2017年4月11日 12時
