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山田side
涼介「なぁなぁ、大ちゃん。」
大貴「んー？」
スマホをつついている大ちゃんの肩をぽんぽんと叩けば、声だけを俺の方に向けてた
涼介「ね、ちゃんとこっちみてくんない？ちょっと大事な話だからさ。」
《大事な話》
そう言うと大ちゃんはスマホの電源を落として、体ごとこっちに向けてくれた
大貴「どうした？」
大ちゃんは優しく聞いてくれた
...こーゆーとこも大ちゃんのいいところだよなー...
涼介「昔からよく変な夢見てるってことは知ってるだろ？」
大貴「うんまぁ知ってるけど。」
涼介「それが最近酷くなってきた。」
大貴「...と、言うと？」
涼介「夢を見る回数が増えた。それに寝てなくても頭の中になにかの映像が流れて、それが何なのかははっきりと分からないけど、頭が割れるように痛くなる。」
大貴「...それ大丈夫じゃないだろ...」
大ちゃんが心配そうに俺の顔をのぞき込む
涼介「...病院は行った。でも、検査をしても異常はなかったし、これといってストレスが溜まることがあった訳でもない。これは俺の担当をしてくれた先生の話なんだけど...何か忘れてることがあって、脳がそれを思い出させようとしてるからじゃないかって言ってた。頭痛の原因は多分それだって。」
大貴「でもお前大して頭打ったことも事故にあったこともないだろ。」
涼介「うん、先生にもその話はした。そしたら前世の記憶かもしれないねって。」
大貴「前世の記憶...？」
大ちゃんは不思議そうに首を傾げる
そりゃそうだ
こんな話漫画でもなかなかない
涼介「でも思い当たる節はあるんだ。いつも夢に出てくるのは、ぼんやりとだけど俺とみんななのは確か。恐らく何日かかけてひとつの映像を見てるんだろとはおもうんだけど、そうだとしたら毎回俺は夢の中で必ず最後に死んでる。...大ちゃんも。」
大貴「お、俺も？」
涼介「ごめん、嘘だと思うかもしれないけど信じて欲しいんだ。いつか夢がホントになりそうな気がして怖くて...」
大貴「そっか...信じるよ。俺は涼介信じる。」
涼介「ほんと？」
大貴「うん、でもその代わり山田も俺を信じろよ。」
大ちゃんはとびきりの笑顔で俺を安心させてくれた
やっぱ俺いい仲間持ったな...
特に大ちゃんは俺にとって兄貴みたいなもんだし
俺は改めてそう思った
大ちゃんが撮影で別の部屋に移動した
俺はその背中に小さくありがとうと言って、俺も撮影を開始した
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作者名：有谷 彩涼 | 作成日時：2019年6月21日 20時
