第135話 まだ認めたくない。この生活が、案外楽しみでもあるからーー。 ページ44
「んじゃ、おやすみ」
『へ?……は、はい。おやすみなさい……』
あまりにも普通に言うもんだから、拍子抜けしてしまった。あ、あんなことしておいて……、めちゃめちゃ普通……!
何だか納得いかなくて、一松さんの袖を引っ張った。
『い、一松さーー』
「あぁ、忘れてた」
いきなりくるりと方向転換し、私の方へ向き直る一松さんに凄く驚いた。そんな私をおいて、一松さんは私の頬に手を添え、少し嬉しそうに微笑んで、そしてーー
『えっ?んっ……!?』
「……じゃ、おやすみ」
ーーまた、キスをした。
『お、おぉ、おぉお、やすみなさぃぃ……』
ぷしゅうーっと私の顔から蒸気が出てる気がする、と思う程、真っ赤になってしまった私はもう一松さんの方を見れそうにもなかった。
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……鳥のさえずりが聞こえる。騒がしそうにちゅんちゅんと鳴いてる。
『んぅ……』
思考が定まらない中、私はいつも決まってやっていた伸びをしようとしてーー
ーー出来なかった。
『……ぅあ?うー……ぅえっ!?』
「んむぅ……Aうるさい……あと五分……」
何故なら、私はおそ松さんの腕の中にいた、つまり、抱き締められていた。みるみる顔が赤くなっていうのが分かった。
『っちょ……おそ松さん!?は、離して下さ……っ!?』
するといきなり私の頭の方に手をまわし、ぽんぽんと頭を撫でられる。このまま甘えたくなってしまう程に優しい手つきだった。
「あー、はいはい……。大好きだから、もう少し静かに……」
『……は、ぃ……』
おまけにこの言葉。私にとっては黙るしかない。……だけど、嬉しかったのは内緒。
腕の中、おそ松さんの顔を見上げる。……見れば見るほどイケメンな顔をしてて腹が立つくらい。
開いてる時はくりっとして、吸い込まれそうなくらい綺麗な瞳をしてるから気付かなかったけれど、結構睫毛が長いことが分かった。それに意外と鼻が高くて、お肌ももちもちとしてキメ細やかだし……。……なかなか私好みの顔をしてらっしゃる。
……だからだろうか。私はおそ松さんの背中に手をまわして軽くぎゅっと抱き締めた。少し身をよじらせてうなりつつも、おそ松さんは嬉しそうな顔をしてる……と思う。
……頭の片隅では、外見だけでこんなことをしないって分かってたけど、今はいい。そのことを認めたら、楽しい日々に亀裂が入るだろうから。
第136話 いやまあ長兄も好きなんですけどね。やっぱり相棒は最高だという話なんですよね。いや推しじゃなくてコンビとして、ですから。→←第134話 四男が可愛いだけのお話、ではないがとにかく可愛い。
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ヒナ - なんか、全部良すぎて決められん! (2018年1月26日 6時) (レス) id: 7822f14dc9 (このIDを非表示/違反報告)
ショボン(プロフ) - え?じゃあ私も……おそ松兄さんをいただきm((兄さんの取り合いになるwww神作者粉粉粉粉粉さんvs駄作者ショボンの戦いですねwww負ける気しかしないwwww (2017年12月3日 23時) (レス) id: cfb5abdebb (このIDを非表示/違反報告)
粉粉粉粉粉 - ちぃさん» 私の作品が好きだと言ってくださるなんて嬉しいです!励みになります!あ、ハゲじゃないです!ふむ、良いご趣味(アニメ)をお持ちで。リゼちゃんとシャロちゃんは今日も天使です。背中を押されながらも更新頑張りますー! (2017年12月2日 22時) (レス) id: 69bd423521 (このIDを非表示/違反報告)
粉粉粉粉粉 - ちぃさん» ぬあっ!?こんなにたくさんのコメント、ありがとうございます!長らくお待たせしました、コナゴでございます。長男は愛すべき為に生まれたのです。尊いです。はぁしんどい。 (2017年12月2日 22時) (レス) id: 69bd423521 (このIDを非表示/違反報告)
ちぃ - 更新はやーーくぅ そなたが更新するのを楽しみにまっているぞい!((ニコッ (2017年11月23日 14時) (レス) id: a8a7c657ca (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:粉粉粉粉粉 | 作者ホームページ:http://Conago
作成日時:2016年5月2日 23時