お隣さんは男装女子！？part2【おそ松さん】

第７８話　痛みと共に ページ32

私はそれを見て、微笑ましそうに口角を上げると、ズキッとした痛みが私を襲った。

『いっ……』

その痛みと共に、あの事故の事を思いだし、顔が熱を帯びていくのが解る。

「どうしたんだA？顔が赤いぞ？」

『いっ、いやっ、何でも、ないです……』

「そ、そうか……？」

「(うぅわコイツ何も気付いてねぇよ。普通気付くだろフツー。お前のせいで顔が赤いんだよ、気付けよ。逆にもどかしいわ。ってか俺の台詞長くない？心の中でどんだけ思ってんの俺。メタ発言だなオイ)」←←

私の頭の中に、ずっとあの事故の事がフラッシュバックして、顔の熱は冷めるどころか、帯びていく一方だ。私は少しでも冷まそうと、頬をペチペチと叩いていると、

「……そっちは何の話してんの」

『へぁっ！？っあ、痛っ……！』

いきなり後ろから抱きついてきた誰かに驚いた私は、口角をかなり上げてしまい、またもや痛みが私を襲う。

「……大丈夫？ごめん、俺のせいで」

『だ、大丈夫ですよ……。一松さん』

「凄い。声だけで解んだね」

『ま、まぁ……』

「何の怪我したの」

『唇が切れてしまって……』

「何で？」

『え、いや、その……』

私はまたあの事を思いだし、顔を紅潮させた。

「…………」

『あの、その……』

「……ちょっと来て」

一松さんは面白くなさそうな顔をすると、私の手を引いて、二階の子供部屋に上がった。

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