第82話 (胸糞注意。読む際ご注意下さい) ページ35
南side
「
上に跨った女が、吐息混じりに俺の名前を呼んで小首を傾げた。
女の名前はミレイ。
偶々声を掛けられて、軽そうな女だったから誘いに乗ってみた。
見た目同様、中身も尻も軽い。
一度関係を持って、さよならだ。そう思っていたのに。
アッシュカラーの巻き髪をゆらゆら揺らしながら、グロスでぷっくりとした赤い唇から聞きたくもない名前を聞いて、俺はミレイ興味を持った。
「東 Aって知ってる?」
知ってるも何も。
「あたし、その人に捨てられたの」
俺の
「あたし、彼に釣り合うようにって頑張ったのに。純粋じゃなくなったら、派手になったら、ポイされちゃった」
そして俺を、病院送りにした化物でもある。
「酷いよね、ハジメテだったのに」
ミレイの話を聞いて、俺は馬鹿真面目なあいつのことを思い出していた。
東の無理な練習に付き合って肩を壊して、テニスをすることが難しくなった
自分が凡人だから仕方ないと、泣きながら笑っていていて、せめてマネージャーとしてチームに貢献すると退部せずにテニス部にいて苦しんで。
馬鹿だな、辞めちまえよって、何度言ったか。
でも、テニスが好きであいつは辞めなかった。
東は、あいつが肩を壊したのに無理な練習は止めなくて。あいつは練習法に異を唱えた。
あいつのことだから、他の部員が自分みたく故障するのを止めたかったんだろう。
あいつ曰く、東以外は凡人。
東が異常なまでの才能を持った天才。
天才様と違って、凡人は自分みたく故障するから止めないと。
正義感が働いたあいつを、東は嘲笑った。
あいつを殴って、テニス部から追い出して。
あいつは殴られた所が悪くて、右目の視力が低下して視野も狭くなって。
あいつは、碌でもない俺の幼馴染みで、腐れ縁で、大切な
あいつの為の報復だと、俺と連んでた悪友数人と南の工場地で寝てた東を袋叩きにしたつもりだったのに。
気付けば病院のベッドの上。
俺は、
「あたし、彼の弱み知ってるの」
「へぇ?」
「サクノちゃんって言う女の子だって」
ミレイ曰く、ある男がサクノちゃんを呼び出して東に助けさせようとしているらしい。
「志狼くん。その計画奪って、彼をボコボコにしちゃおうよ」
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バンビ(プロフ) - 真理さん» 現在更新のペースがかなりゆっくりになってしまっていますが、時間を見つけて更新をしていきますので、今後ともよろしくお願い致します。 (1月25日 23時) (レス) id: ff777945fb (このIDを非表示/違反報告)
真理 - バンビさん» 続きまだですか? (1月24日 7時) (レス) id: e1f8464f5a (このIDを非表示/違反報告)
バンビ(プロフ) - リコさん» ありがとうございます。今後も楽しみにして頂ける様に更新していきます。 (2021年7月18日 11時) (レス) id: ff777945fb (このIDを非表示/違反報告)
リコ(プロフ) - 続きを楽しみにしてます! (2021年5月9日 6時) (レス) id: 8b5e530447 (このIDを非表示/違反報告)
バンビ(プロフ) - 紗衣さん» ありがとうございます。非常にゆっくりな更新になっていますが、楽しみにして頂ける様に頑張ります。 (2021年4月10日 0時) (レス) id: ff777945fb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:バンビ | 作成日時:2020年9月4日 12時