Dream story.032 ページ35
結局、私は円堂さんの所へと足を運んだ。
既に先客がいたらしく、静かに少しだけ後ろにズレて足を止める。
だが、向こうはもう既に気づいていたらしく、首だけを軽く左へズラした。
「朱月、どうかしたか」
「どうもなにも、2人の様子を見に来たんですよ。一星のやつが何をしでかすのか分かりませんから」
吐き捨てるように告げると、2人の視線は再びフィールドの方へ向けられた。
何回か一星がシュートを打っていると、本人は最後だと堂々と発言する。
蹴られたボールに不信感を持ったらしい鬼道さんは、「避けろ!」と彼へと指示を出す。
そのボールはネットを勢いよく破り、その後ろの壁にさえ突き刺さった。
(やっぱり
"あれ"を見なくたってわかるくらい、吐き気を思わせるほどの気持ち悪い物質が、アイツの背中で顔を出していて。
もしあったのなら、もっと景色は嫌なものになっていただろう。
はぁ、と胸に手を当てて小さくため息を吐く素振りを見せた。
その音とともに、聞こえた彼の黒い声。
どうやら、今度は鬼道さんと一星の対決のようだ。
「……見事に壊れましたね」
「あぁ。……奴を絶対に止めてみせる」
鬼道さんに顔を、その後に視線をゴールの方へ向けた。
ゴールポストに反射して写る自分の目が、赤く光った。
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作者名:ジューガ | 作成日時:2018年11月18日 13時