目指せあの頂上へ (ページ39)

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第37話ページ39

Aside

ロネ「あー！勝てなかったー！！」

ロネは寮への帰り道、両腕を挙げて空に叫んだ。

サクヤ「くそ、強すぎかよあの先公……俺があの氷溶かしてやろうと思ったのに」

サクヤもそう吐き捨てた。

ライア「まあ率直に言いますと、先生は弱点である魔法はしっかり対策してらっしゃるそうですし、炎では勝てないのではないかと」

サクヤ「……わかってた」

レン「でもすげぇじゃん。互角だったぜ」

ロネ&サクヤ「3人で互角じゃ意味がない！」

2人は相当授業の結果が悔しいようだ。
しかし、対先生で互角にまで持ち込んだ班はF班、つまりサクヤたちの班しかいなかった。

＿＿＿＿私なんて、何にも出来なかったのにな。

そう言うとレンが怒るので口にはしなかったが、どうしてもそう思わずにいられなかった。

でもきっと、彼は私より思い詰めている。

サクヤ「……でもまあ、お前らもよくやったって。シグも頑張ってたし、な？」

サクヤは話題をシグに振った。

しかし、シグは
シグ「……そうだね。」
としか言わなかった。

A「シグ……」
レン「……。」

かけるべき言葉が見つからない。
私より頑張ってたのに結果が出なかった。

そのことは、とてもシグには重くのしかかっているのだろう。

サクヤ「お前、そこまで思い詰めなくても……」

シグ「……僕は、役たたずなんだ。
人よりちょっと凄めの魔法使えて、魔力も多めに生まれてきたのに、何も出来ない。生きてたってなんの意味も……」

ロネ「し……」
レン「シグ！！」

レンは今まで聞いたこともないような、怒った声で言った。
ロネは驚いたようだったが、何かを察したらしく黙ったままだった。

シグが伏せていた顔をあげた時、レンは顔を見られないように隠して、指を鳴らした。

その瞬間、何も無い空間に水が生まれ、シグを包んだ。

ライア「れ、レンさん！？」
A「さすがにシグ死んじゃうよっ！！」

慌てて私とライアは言ったが、レンは後ろを向いて、

レン「シグは空間制御使いだろ。空気取り入れることぐらい簡単にできるはずだ。……それに、

その方が頭、冷えるだろ。」

そう吐き捨て、スタスタと寮へ歩いていった。

ロネ「……れ((レン「お前はここでシグ見張ってろ」……分かったよ」

ロネはレンにそう返し、改めてシグの方を向いて

ロネ「シグ。状況説明のために、あの事話してもいい？」

と聞いた。