おばけのはなし ページ2
こんばんは、Aです
Aソフィアです。あの、あのね、
ちょっとした緊急事態なんです
緊急じゃないのかな、でも、むり...
○ -30分前
臨「Aー？」
貴「はいっ...あれ、どこか行くんですか？」
名前を呼ばれて振り向くと、
さっきまでソファで寛いでいた筈の臨也さんが
コートを羽織りつつ歩いてきていた
臨「ちょっとね。ひとりで平気？」
貴「そっそんな怖がりじゃないです！」
ついさっきまで２人で心霊番組をみてたから、
臨「じゃあ、いってくるね」
貴「いってらっしゃい。怪我しないでくださいね」
臨「ははっ保証はできないなぁ」
貴「じゃあせめて生きて帰ってきてください」
臨「分かったよ。先に寝てていいからね」
貴「あっ何時くらいに帰ってきますか」
臨「...遅くても２時かな？何かあれば連絡して」
じゃあねと頭を撫でられた
パタン、と扉が閉じた途端に空気がひんやりした
そんな気がする。しんとした部屋は寂しいもん
...なんで、よりにもよって心霊番組をみたあとに
一人にするんだろ、それも日付が変わる時間に...
なんて言っても仕方ないけど、はやく帰ってきて
カタン、
貴「ひっ」
ちいさな物音だけでも過敏に反応してしまう
貴「...なんだ、よかった」
空になった二人分のコップにたてかけていた
スプーンが音をたててテーブルへと落ちた
さっきまで紅茶を飲んでいたんだ、
流しまで運んでさっと洗ってタオルで拭く
貴「一人だと、この部屋も広いなぁ」
ああっ一人とか考えちゃった
だって...だってさっきのおばけ、一人になると
でてくるやつだったもん。普通に怖くなるよ...
テレビの音に驚くけど、静かすぎても怖い
誰かに電話したくても０時を過ぎてるし
自分の部屋に一人は虚無感が感じられる
貴「お兄ちゃんの部屋に居させてもらおうかな...」
怒られたら、謝ろう。
今日はずっと家にいたから部屋着のままだけど
一旦、自分の部屋に戻ろう。スマホを取りたい
○
リビングのテレビも電気も消した。
ポストに鍵を入れて玄関の施錠もした。
何かあれば分かるはず
貴「失礼しまーす...」
忍び込むかのように音をたてず扉をあける
彼の部屋は予想を裏切らない殺風景だった
貴「お兄ちゃんの匂いめっちゃする」
黒に近い色、黒、暗い色だけのその景色は
はじめてみる筈なのにどこか安心できた。
ベッドに座らせてもらい、毛布にくるまる
右手に握っていたスマホから音楽を流した
___
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 21人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：飴 | 作成日時：2018年1月23日 1時
