炎 ページ23
Noside
足元すら見えない程に暗い、夜の路地裏
然し、太宰や敦の目の前は烈火の如く炎が立ち上る
彼等の反対側には目の焦点が合っていない少女が高笑いをし乍、新しい爆発を起こしている
「ほう・・此れは予想以上だ」
太宰は驚愕していた
隣の敦は呑気な太宰に口をぱくぱくさせている
「だ、太宰さん!!ど、どうするんですか!?」
周り一体は炎に包まれている
然し、炎はAの異能なので太宰にも太宰の服を掴んでいる敦にも炎は届かない
二人の後ろだけが炎がない状態だ
「敦君、君はとにかくこの路地を抜けて探偵社に行ってくれ。恐らく誰かいるはずだ」
太宰の声は低く、事の深刻さが伺える
「はい!!」
敦は太宰の服を離し探偵社まで走る
其れから太宰はその背を見送ると彼女に向き直る
「さて、今夜は忙しくなりそうだね・・・Aちゃん」
Aは笑いながら太宰に近づいてくる
その目は真っ赤になっている
彼女の耳には誰の言葉も届かないだろう
尊敬し、憧れ、恋心を抱いている相手の声さえも・・・
「Aっ!!」
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作者名:クロス | 作成日時:2018年11月25日 2時