【ONE PIECE】またいつかお会いしましょう (ページ16)

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116話ページ16

その後Aはドフラミンゴによって呼ばれたであろう使用人たちによって軽い怪我の手当てが行われた

元の体調の悪さと腹部の怪我が相まって、脱走などとてもできない状況に追い込まれたAはぐったりとした様子でベッドの上で身体を横にする

Aのその様子が使用人たちから伝わったのか、これ以降ドフラミンゴも、その直属の部下たちも、いわゆるAが脱走した場合に備えられるほどの強さを持つ人は現れなかった

この期間に身体をできるだけ早く治して逃げなければもうチャンスはない

そう思えば思うほど、何故か体調は悪化する一方だった

死にたいわけではないので食事はとっているし、身体もいつでも動かせるようリハビリは欠かしていない

呼吸が整わず、動悸も激しい、目眩もする

何かの病気にしては、少し自分の身体の様子がおかしい

食事を取った後だけ気分が楽になるが、その後時間が経つにつれまた気分は悪くなる一方

気がついたらAは食事の時間を一番楽しみに待つようになっていた

そしてこの場所に閉じ込められてから4日後、あまり眠れない夜のことだった

静かに扉を開けて入ってくる人の気配がする

どれだけ静かに行動しようとも、気配だけは隠しようがない

近づいてきたその人物はやがてAの頭に手を伸ばした

Aはそれを逃すはずもなく腕を掴む

｢…！きゃっ、｣

掴まれた人物はどうやら女性のようだ

Aはそのまま引っ張って形勢逆転を狙おうとしたが、想像以上に力が入らずベッドにまた倒れ込んでしまった

まずい、ともう一度身体を起こそうとするも、相手がAを押さえつける

｢無理しちゃ駄目よ｣

Aはしばらくは睨んでいたが、やがて敵意がないことがわかって大人しく抵抗をやめた

｢あなた、一体誰？何故私の元に？｣

｢私はヴァイオレット、一応ドフラミンゴの部下よ
私の言うことを信じなくても、それはあなたの自由
でも、とりあえず私の話を聞いてもらってもいいかしら｣

Aのどうして自分の元に来たのかという質問には答えなかったが、ヴァイオレットの表情は切羽詰まっており、Aは素直に頷いてしまった

敵か味方かを判断するのはまだ焦燥ではある、それでも今のヴァイオレットを疑う理由はなかった