【ONE PIECE】またいつかお会いしましょう (ページ17)

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117話ページ17

｢まず、単刀直入に言わせてもらうと…あなたは今記憶を消されつつあるの｣

｢……！？記憶？｣

初っ端からわけがわからず、Aは思わず眉を寄せた

あれだけ、記憶を思い出せと言っていたドフラミンゴがよりによって逆のことを？

｢どうして？｣

｢それは…ごめんなさい、詳しいことはわからないわ
ただ、私は、ギロギロの実の能力者だから、あなたの脳内を覗くことができるの…それで、ドフラミンゴからの命令で2日に1回、あなたの記憶がどれだけ消えていっているか確認していたから｣

だから、こんな真夜中にわざわざAの元を訪れたのか、そう脳では理解しつつ冷や汗をかいた

一度記憶をなくしたAにとって、また大切なこと全て忘れてしまうのはとても恐ろしいことだった

そんなAの様子を見てヴァイオレットは慌てて付け加えた

｢でも、まだ大丈夫よ！
確かに記憶の影は薄くなってはいるし、少し危うい部分もあるけれどまだ完全に消えていってはいない｣

｢よかっ、た…｣

ひと安心したAを見ると、ヴァイオレットはまた説明を続けた

｢それで問題の、どうやって記憶を消しているか、という話なんだけど、どうやら薬を、使っているみたいなの｣

｢……！｣

｢これも詳しい話はわからないのだけど、ドフラミンゴの部下の科学者が作った薬があなたの食事に含まれていると聞いたわ
それに、記憶を消すくらいだから、身体にとても強い負担がかかり、それに加えて依存度が高いみたい
だからドフラミンゴはあなたが絶対に逃げられないと読んでいるの｣

これで全てに納得した

身体が妙に疲れていることも、食事の後一瞬だけ楽になることにも

それと同時にAのことを完全に舐めているドフラミンゴにも腹が立つ

｢あなたの話には疑う余地もありません
全て教えてくれて本当にありがとうございます｣

Aがそう言うとヴァイオレットは嬉しそうに笑った

｢でも、ドフラミンゴの部下であるあなたがどうして、こんな有益な情報を？｣

ヴァイオレットは少しだけ考えてから話す

｢それは…どうしてかしら、わからないわ
でも、あなたをここから助け出せたわけでは、ないから…本当にただ、あなたの身体に起きている異変を教えただけよ｣

｢私からしたらそれだけで充分です、それだけ知ることができたら、あとは自分でできますから｣

先程の話からしても、おそらく拘束はとても緩いものだ、自分でどうにかできる

それを知れたのもヴァイオレットのおかげだ