【ONE PIECE】またいつかお会いしましょう (ページ15)

今日:8 hit、昨日:6 hit、合計:65,050 hit

115話ページ15

目を覚ましたAは全く見知らぬ部屋にいた

家具や装飾はやたら豪華で、Aの寝ていたベッドも普段使っているものとは比べ物にならないほど大きくて質が高い

｢……？｣

あまりの心当たりのなさに動揺しながら記憶を辿ろうとするが、飲み会の記憶は曖昧で、思い出そうとすると頭痛も酷く、気分は最悪だった

それにどこか熱っぽくて夢の中のような倦怠感が伴うが、ここにいてもどうしようもないため、何か糸口でも掴めればと起き上がってベッドから降りる

牢屋にでも閉じ込められていたら出られる見込みはなかったが、高級そうな部屋とはいえ普通の部屋の扉を開けられないほどやわな鍛え方はしていない

ここからは出られるだろうと思ったAだったが扉にたどり着く直前で腕や足が何かに捕まれ、それ以上前に進まない

不思議に思ってよく見ると、細い糸のようなものが自分の身体のあちこちに絡みついていた

この能力は

｢まさか、｣

その瞬間、ドンキホーテ・ドフラミンゴが部屋の扉を開けてAを見下ろし口角を上げた

｢もう起きてたかA……まぁわかると思うがあまり暴れるな
手足がちぎれるぞ｣

Aはドフラミンゴの方を睨む

｢海賊に今さら法を語るつもりはありませんが、さすがにこれは度が過ぎるのでは？｣

ドフラミンゴは声を上げて笑ったが、本心は少しも笑っていなかった

｢俺もこんなでけぇリスクを背負いたくはなかったが…事情が事情なもんでな｣

｢……？｣

｢俺の最悪の予想が当たった時のことを考えたら、これが最善だったってわけだ｣

なんの話をしているのか、Aにはわからないが、Aをここから出すつもりはないということだけははっきりとわかった

身体はふらついて、立っているのもやっとだったがAは目を開いて覇王色の覇気を全開にする

｢…！？｣

一瞬ドフラミンゴから笑みが消え、動きがなくなった瞬間畳み掛けるようにAが嵐脚を放つが、ギリギリのところでドフラミンゴに避けられる

そして笑みを取り戻したドフラミンゴは、その能力でAの腹を狙った

｢う、ぁ……っ！｣

Aの腹部に容赦なく突き刺さった攻撃はそのまま貫通し、綺麗な床に血が流れ落ちる

｢…悪ぃな、まさかこの状況で抗ってくるとは思わなかった｣

ドフラミンゴはそれだけ言うと部屋を出ていく

捕まえようと伸ばしたAの手は結局何も掴むことはなかった