Prolog ページ2
「A。
君が好きだ
来年の全中が終わったら、俺が推薦されてる洛山高校に一緒に来てくれないか?
返事は来年の全中までに考えてくれ」
ずっと想いを寄せた彼に気持ちを伝えられた時、信じられなかった
言葉では表せられないくらい、とても嬉しかった
中学だけじゃない、高校も一緒にいれる事が何より嬉しかった
けどあの時照れ笑ってくれた彼は、もうこの世に存在しない
そして私は向き合うべき彼に恐怖を感じ、私は逃げた
あぁ、終わった
私は彼の中でいらない駒となる
彼の中で私は無かったものとされる────
だって今の彼は以前とは違く、残酷で冷酷な人
簡単に仲間だって、捨てられる
彼があのような性格になった原因は、全部私のせい
あの時、誰より近くにいた私はもっと彼を支えられてた
なのに私は『彼なら大丈夫』と勝手に決めつけてしまった
本当は誰より苦しんで、助けを求めていたのに……
そして彼は、いつの間にかもう一つの人格を生み出した──
その人格が、今の彼
勝つことしか興味のない、冷酷な人間
ごめん、ごめんね
今更謝るなんて、おかしいね
気づくのが遅すぎた
だからせめて私は────
貴方のそばから離れるから
だからどうか、あなたの中に眠ってる私の存在を消して下さい
私も、あなたへの想いを消します
さようなら、征十郎。
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作者名:saki | 作成日時:2017年10月5日 21時