【銀魂】空から女の子が降ってきました。

第六訓 ページ8

思っていたよりも長い時間で行われている稽古に周りの隊員達も驚いている様だ。


大方、私が瞬殺されるとでも思っていたのかな。





(でも残念。シャバにも良い腕を持ったやつがごろごろ居るよ)





「あ、あの副長が……女なのに、」

「シャバにもあんな使い手居たんだな…」

「力量だけなら沖田隊長と良い勝負なんじゃ？」





でも、それにしても…だね。ふふ、良い反応だ。





(かなり大きな動きをさせているから土方さんも疲れてきたな。右足を多く使っているから重心も傾きやすいし…うん。そろそろ頃合いか)






『……さてと』






＿＿＿＿＿ヒュンッ、と一瞬で近付く。


まあ流石真選組副長というか普通に反応され、防がれそうになった。だがお生憎様、私が狙ってるのはそこ。






「！」






私は、まるで土方さんが私の木刀を折ったかの様に"見える"様打ち込んだ。

そしてそれと共に木刀を土方さんのと擦り合わせる様にしてバキッ、と折る。つまり傍から見れば……





(土方さんが勝ったように見えるということ)





あとは私がおどければいい。






『…………あー、折れたー！負けちゃったか！！』



土方「っ！？ふ、ざけんな！お前、」



『あはは、流石真選組の副長様ですね。でもあともう一歩ってとこだったなぁ……悔しー』






土方さんは納得のいっていないような表情。まあそれもそうか、わざと負けられたのだから。

彼の様な性格上こういったやり方は好きではないだろう。だが……






『はてさて、ふざけているのはどちらかな』



土方「っは、」






小声で、周りの隊士達に聞こえないようにこそりと土方さんに囁く。結構な至近距離だからか、彼の声は少しばかり上ずっていた。






『貴方は私相手に本気じゃなかった。それは私が女だからでしょうかね…？まあ油断ではなく反射的な躊躇いなのでどうこうしろとは言わないけど』



土方「それは、」



『紳士としては見るなら最高だ、けれど剣士としてはムカつく事この上ない』






もし私が彼とタイマンで、本気で戦っていたのならきっとその時は私が負ける。それは私が見越した。


しかもこれは私の力量を測る為のものなのだから、彼が本気で打ち込んでくるはずが無いのだ。それは当たり前だけどそれではこちらが不満。






だからこそ、









『だからこそ私は、貴方がもっとムカつく様な態度を取ってやろうかと』










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