鮮明に ページ37
１時間後、『SS』本戦開始直前
「……」
おかしい…
どうして私たちよりも先に本戦出場が決定してたところが一つも来てないの？
「……みんな、ちょっと袖に…」
……『あの明星』を覚えていますか？
「……………は？」
十数分後
「…チッ…………」
なんで、予測できなかった？
何が、『あの明星』よ
…みんなは情報収集に行ってくれてるけれど……
「…スバル、おいで」
スバル「…………」スッ
ギュッ「…うん、冷たいね。…ねぇ、スバル。私がアイドルを目指したのは『SS』に出たかったからなの」
スバル「…」
「馬鹿みたいだよね。『SS』に参加できるのは高校生の輝く男の子だけなのに。…初めて興味を持ってさ、諦めたくなくて…」
…それでも、みんなは私を否定した
「諦めようかと思ってた時…君のお父さんに会ったんだ」
スバル「…………え？」
「明星さんは私に夢と希望を与えてくれた。『君は、アイドルに向いてるよ』って、言ってくれた。たったそれだけの…一瞬の出会いだったけど、私は鮮明に覚えてる」
明星さんがいてくれたから、今の私がいる
「…でも、明星さんはそのまま芸能界から消え去り、帰らぬ人となっちゃったんだよね」
スバル「…………」
「明星さんね、あの日、自分の息子の自慢話をし始めてさ〜…長くて長くて。私はもっとアイドルの話を聞きたかったのに」
スバル「！！」
「…明星さんの守りたかったものは私の宝物と同じ。…それに、私は明星さんから君を託されちゃったからね」
スバル「…どういう、こと？」
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作者名：Kananan | 作成日時：2018年3月7日 7時
