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「A…アスタを__」
止めないと、そう続けようとしたノエルの言葉は続かなかった。自分の横にいるAは初めて見る顔だ。反射的に肩を動かして、話しかけるのは止めにしようと考え直す。自分の兄姉達がアスタに魔法を向けるのを視界の端に入れて、でもやはり自分にはどうする事も出来なくて俯いた。その時だった。真横でドスッと音がして、高貴なテーブルにはフォークが真っ直ぐと突き刺さっていた。
荒れに荒れたこの空間で一触即発の空気が流れる。Aは冷静でもあったかもしれない。しかし、言葉はないが、徐々に上昇していく温度がAの怒りを表していた。
ここは王貴界。何かあった瞬間に罪に問われるのは下民の方である。それをAはちゃんと分かっていた。以前までのAならば、ところ構わず相手を灰にしてやった事だろう。前に、人から言われた事があった。厳格で、強く凛々しい女だ。
__「短気は損気。人間手より口を使え。」
フォークを握ったままの手に力が入り、深い溜息を吐き出す。この場で乱闘を起こすのは良くない。だがやはり、黙ったままも、何もしないままも出来なかった。罪に問われようが何だろうがどうだって良い。仲間を侮辱されコケにされ黙ってる訳にはいかなかった。きっと、あの人達もこうするはずだ。
「A…先輩?」
怒りでいっぱいだったアスタもAの様子にたじろいだ。こんなAをアスタは知らない。目玉が落ちるんじゃないかと思うくらいに見開かれた目は怒ったドラゴンを連想させる。その気迫にたじろいだソリドだったが、すぐにいつもの表情を浮かべる。慌てて止めに入ろうとした金色の団員の頭を鷲掴み、双方の頭をぶつけ合わせた。
普段の威力も火力も超える鉄拳は、この場を破壊させるには十分な威力を持っていた。アスタもノエルも、この場にいる魔道士達はAの魔法をもちろん知っている。彼女の技の一つである鉄拳の威力もどれ程のものかも知っている。自分の記憶が正しければ、こんな破壊力はなかったはずだと唖然とした。Aの魔法は
「黙って聞いてりゃ好き勝手言いやがって。いつまでもクソくだらねぇ事ほざいてんじゃねぇ。」
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マリイ - はなぼーさん» ありがとうございますユウカ様の小説一つも無くてレオポルド、アスタ、ラック、マグナ (ライア)好きだけど1番はユウカ様 FTとブラクロの中で (2022年8月4日 14時) (レス) @page47 id: 70be676ed1 (このIDを非表示/違反報告)
はなぼー(プロフ) - マリイさん» リクエストありがとうございます!作品一つ作るのは難しそうなので、ユウカとのお話をどこかで挟もうと思います! (2022年8月1日 21時) (レス) id: 603a42e081 (このIDを非表示/違反報告)
マリイ - ユウカ・スズキの小説も書いて欲しいです ユウカ好きなのでラミアスケイルの (2022年7月29日 20時) (レス) id: 70be676ed1 (このIDを非表示/違反報告)
はなぼー(プロフ) - ミトさん» コメントありがとうございます!長らく更新出来ていませんでしたが、ちまちまと再開致します! (2022年7月11日 11時) (レス) id: 603a42e081 (このIDを非表示/違反報告)
ミト - ブラクロに再熱して夢小説探してたら面白いの見つけた…続きを楽しみにしてます! (2022年6月11日 1時) (レス) @page39 id: 54bc55279d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:はなぼー | 作成日時:2022年3月3日 18時