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魔力の無効化とは何と下民に似つかわしくないものだろう。ただの幸運(ラッキー)で能力に恵まれた。そう思う事はいくらでも出来るのに、クラウスはそう思えなかった。目の前の少年の、少年らしからぬ体付きを見たら何も言えなくなった。どれだけの鍛錬を積んできたのか、クラウスの想像は遥かに超えるだろう。大剣の大振りは勝利を収めた。

そう思っていた。

彼らが宝物殿へと入って長く経たない頃、異変に気付いたのはラックとAであった。瞬時に気付いて上に飛ぶと同時にラックの声が響く。入り口付近の壁が壊された拍子の風圧に耐えきれずAは壁に激突して頭を抑えた。目を開ければ、先程倒したと思われたマルスの姿と、身動きが取れないでいる仲間の姿。

マルスの属性は鉱石。何の関連性もない炎魔法で回復したマルスに皆が目を見開いた。ノエルが水で消す前に彼女に気付いたマルスが攻撃をする。Aの伸ばした手の先で、ノエルは後ろへ吹き飛ばされた。


アスタの能力を理解したマルスはアスタのスピードを上回る速さで攻撃を仕掛ける。小さな剣は、少年の体を切り刻んでいった。アスタが壁にぶつかると同時にAが地面を蹴って両手に炎を纏う。


「黒炎竜の翼撃!」


体の回転と同時に両腕を薙ぎ払う。マルスの後ろに着地したAは炎を爪に纏い切り裂いた。どんなに攻撃を当てたとしても炎魔法で回復されては埒が明かない。一つ一つの攻撃力は申し分ない程に高い。より強固となった鎧に少しずつ傷を与えているのが何よりもの証拠だった。アスタの能力を瞬時に理解して、それに合った攻撃を繰り出してきた相手である。A使用の攻撃魔法を出されるのも時間の問題であった。

ミモザとノエルに視線を向けたマルスにAは気付いた。何を考えてるのかなんて考えなくても分かってしまった。

アスタが戻って来た時、その目に映ったのはマルスの小型の剣がAの左眼を突き刺していた光景だった。

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マリイ - はなぼーさん» ありがとうございますユウカ様の小説一つも無くてレオポルド、アスタ、ラック、マグナ (ライア)好きだけど1番はユウカ様 FTとブラクロの中で (2022年8月4日 14時) (レス) @page47 id: 70be676ed1 (このIDを非表示/違反報告)
はなぼー(プロフ) - マリイさん» リクエストありがとうございます!作品一つ作るのは難しそうなので、ユウカとのお話をどこかで挟もうと思います! (2022年8月1日 21時) (レス) id: 603a42e081 (このIDを非表示/違反報告)
マリイ - ユウカ・スズキの小説も書いて欲しいです ユウカ好きなのでラミアスケイルの (2022年7月29日 20時) (レス) id: 70be676ed1 (このIDを非表示/違反報告)
はなぼー(プロフ) - ミトさん» コメントありがとうございます!長らく更新出来ていませんでしたが、ちまちまと再開致します! (2022年7月11日 11時) (レス) id: 603a42e081 (このIDを非表示/違反報告)
ミト - ブラクロに再熱して夢小説探してたら面白いの見つけた…続きを楽しみにしてます! (2022年6月11日 1時) (レス) @page39 id: 54bc55279d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:はなぼー | 作成日時:2022年3月3日 18時

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