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ーAー





莉犬さんは崩れ落ち、ナイフを落とした。


ずっと俯いてる莉犬さんに


縛られてる私は何も出来なかった。



「っ…、」



正直、殺 されちゃってもいいかななんて


思ってしまった自分もいた。




いつからこんなふうになってしまったのだろう。




いつからこんなに周りの人が狂いだしたんだろう。



記憶が飛んでる以上、



考えたって答えは出せないままだ。





私は勇気を振り絞った。





「莉犬くん…、あのね、」




ぽつりと話し始めると、


莉犬くんはピクリと反応し立ち上がった。



「私、中学生の時の事…覚えてないみたい」




それで、教えて欲しいの。


そう最後まで言えなかった。



だって、莉犬くんが涙を流すから。




り『ごめん、ごめんねっ、うぅっ』




叫ぶように泣き叫んでた。


だから私は




「んーん、莉犬くんのせいじゃないよっ、」




焦るように言ったんだ。


莉犬くんを傷つけたくないから。





り『どうしてAは人を責めないのっ』




目を擦りながら言う莉犬くん。



責めないとかじゃなく、


責める必要を感じないだけで…。


言葉が口に出せなかった。




り『いいよ、教えてあげる。』




耳元で囁くように言った


莉犬くんの頬にはもう涙の跡はなかった。




そして、手錠を取りながら話し始めた。




り『Aと俺は幼馴染』




私は頷いた。




り『中学の時、Aはいじめられた』




これは周りの人にも聞いたことある。




り『俺もいじめた』




衝撃的…?


よく自分の感情がわからない。





手錠やロープを解き終わる。




り『俺がAを階段から落とした。』




鼓動が早くなる。



そして繋がれる手。




り『ごめん、』




莉犬くんは頭を下げた。





なんだか、見たことある光景。



頭がぼーっとして仕方ない。




「ぁっ…、」




私は椅子から崩れ落ちそうになった。


でも莉犬くんが受け止めてくれた。




り『ごめんね、ごめん、ごめんなさい』




私を抱きしめながら謝る。





「もう、忘れちゃったから大丈夫…」




私は気にしないでねという意味で言った。




り『ごめん、俺が記憶を…!』




そうじゃないのに。



私はもういいよって意味で



今度は莉犬くんの頭を撫でた。




り『ありがとう…』





小さい声だけど、確実に聴こえたんだ。







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つかさ - すんごく!面白いです✨ころちゃんめっちゃ優しい!莉犬くんのメンヘラ最っ高❤️ (11月13日 0時) (レス) @page20 id: 10980ac280 (このIDを非表示/違反報告)
ゆぅり - 更新頑張ってください!! (2022年8月13日 13時) (レス) @page44 id: 23fc903083 (このIDを非表示/違反報告)
ゆぅり - めちゃめちゃ面白いです!!りいぬくんがメンヘラ過ぎてビックリしましたwwたまにRもいいですね。w (2022年8月13日 13時) (レス) @page44 id: 23fc903083 (このIDを非表示/違反報告)
- 更新待ってますね (2020年12月29日 3時) (レス) id: e4973691c7 (このIDを非表示/違反報告)
れもん - 更新楽しみにしてますね (2020年12月16日 16時) (レス) id: 0d15cce947 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:え ん じ ぇ る | 作成日時:2020年1月11日 21時

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