泉鏡花の被害者【文スト】 (ページ19)

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私の最後の裁き。ページ19

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時刻は深夜、真っ赤な満月。
寝静まったホーソーンさんを起こさないように、私はアパートから近い公園でフョードルからの連絡を待っていた。

ブランコに乗っていると携帯が鳴った。
すぐに電話に出る。

『七番目の罪人は』

それは私が待ちに待った瞬間。

『泉鏡花です』

笑みが溢れていく。
嗚呼、アア、あァ、やっとやっと、私はあの女を断罪出来る！！

『向こうもそれを読んでいます。
貴女の名前を借りて、明日、廃病院に彼らに来てもらうよう手紙を送りました。彼らも貴女を捕まえるのに必死です。来ますよ、絶対に』

「……承知しました。今まで、お世話になりました」

『……貴女、死ぬ気ですね』

何処まで読んでいるのだろう。彼は。
その言葉には答えず、電話を切る。

フョードル達の仲間になれたらそれはとても楽しいことだと思う。でも、違う。私は幸せも楽しさを感じてはいけない。人を殺した人間は幸せになってはいけない。

私が殺したのは罪人達だけだけれど、彼らにも死を悲しんでくれる家族くらいはいたはずだ。私は人の命を奪った。

私が幸せになったら、それは私があれだけ憎み嫌った泉鏡花と同じになる。だから私は赦さない。武装探偵社を、泉鏡花を。

そして清野Aという人殺しも。

「待っててね。パパ、ママ」

あともう少しで、そっちに行くから。

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