◇ ページ12
「ねぇ知ってる?」
長く感じた沈黙の中で俺は彼女が聞いたことの答えにも聞こえるような問いを言った。
「マーガレットの花言葉」
「……あまり花の事は詳しくないので…」
「じゃあ折角図書館にいるんだし図鑑で調べてみない?」
・
「あっ、ありました!」
端の方にある本棚に彼女はめいいっぱい腕を伸ばしつま先立ちする。危なっかしいその行動に胸は騒音でいっぱいになって直ぐに駆けつけて彼女の後ろから目的のものを取る。
「とーれた、届かなかったら俺に言ってね?俺の身長だったらだいたい届くから」
「……はい」
「素直でよろしい。じゃ、マーガレット…っとあ、これ」
「えーっと…恋占い、信頼………真実の愛…?」
そこまで言って彼女はわかりやすく眼鏡をかけ直しながらどうにか顔に集まった熱を冷まそうとした。察しのいい彼女は俺が言った意味が全て伝わったらしい。
けれど彼女の言葉で俺は確かめてみたくなってしまったらしい。
「ねぇ、俺が君にこれをプレゼントした時…どの意味を一番に込めてあげたと思う?」
「それ、私に言わせるんですか!?」
「ちゃーんと俺の気持ちが伝わってるか知っておきたいじゃん?」
「さぁ、どーれだ?」
わざと耳元で囁くと素直に耳は赤く染まる。
彼女は唇を震わせてじっと見上げた。迷っているのかなかなかその口は開かなくって一秒が長く感じる。
君といると時間間隔で酔っちゃいそうだよ。
本人は焦らしてるつもりなんてさらさらないんだろうけど。
「さ、櫻井くん」
「ん?」
「たぶん、その_櫻井くんに対する私の気持ちと一緒、だとおもいます」
「君って意外と隠し事ばっかりだよね」
素顔も、ネックレスも、好きの気持ちも。
一歩足を先に出して君との距離を零にして。君の大きな瞳を隠す眼鏡も取っちゃおうか。
『このまま唇の距離も無くして君の本音を食べたゃいたい』
だってほら、隠されると暴きたくなっちゃうじゃん。
花言葉「真実の愛」
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蒸田。(むしだ)(プロフ) - くっ…蛍からチョコを貰いたい人生だった… (2019年2月17日 7時) (レス) id: f91a58f64c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:花言葉企画参加者一同 x他1人 | 作者ホームページ:
作成日時:2019年2月14日 22時