change 〜Another story 5〜

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本番前、声出しやアップを始めるメンバーを交互に呼んで準備をしていく
もちろんバタバタだ

他のグループに比べて人数の多いランペは衣装の数も倍以上
ライブ中の早着替えのためにセットで組んでおく必要もあってメンバーをメイクしながら合間に衣装も準備しているのだ

もちろんスタッフみんなバタついてる
メンバーも初挑戦のオールスタンディングにピリッとした緊張感と、先輩のGENEさんに見劣りしないようにと続々とパンプアップを始めていた


そんなメンバーを横目に衣装を抱えて走り回る私

陣「Aちゃん！落ちたで！！あ、そこも！」

抱えてた衣装からポロポロと落ちてしまったバンダナを拾い手渡してくれた陣さん
ありがとうございますと受け取って
私の足元に落ちたバンダナを拾う

ふと視線を感じて顔を上げると
視線の先に映るのはバイクに跨った樹

目が合うといつものようにふわっと笑う彼だけど
遠くからでも雰囲気でわかる。
緊張してるんでしょ？

さっきみた大勢のファンの熱気
何が起こるかわからないライブならではの緊張感
先輩と後輩に挟まれる立場のプレッシャー

瞳が不安気に揺れている彼はきっと今安心したいはずだから…


"頑張れ"


私に出来ることはきっとこれくらいだろう

山川「Aちゃーん？ボーカルのジャケットどこか知らないー？」

「あ、ここです！」

山川さんに声をかけられてその場を立ち去る

口の動きだけで送ったメッセージは、ちゃんと樹に届いたかな？

大丈夫、舞台袖でちゃんと見守るから
樹はいつもの樹らしくステージで鮮やかに舞って。

着々と進んでいく準備に追われながら
誰一人として欠ける事なく4日間のライブを走り抜けられるようサポートするのが私の仕事だ

私は私の仕事をするから
樹も樹らしく、一緒に頑張ろうね

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