私の呪い。【五条悟】

29話 ページ29

五条さんが来てしまった。
一応無事な私を見て少しホッとした様子を見せる五条さん。
お腹穴空いてますが。血が足りなくてフラフラですが。一応無事です。


「よし、これで役者は揃ったな」


呪詛師が得意気に言う。
すると、またペラペラと喋り始めた。


「俺の術式は他者の術式を手にいれること。上限はなし。複数の術式を手にいれることができる。

ただ縛りが厄介でね、植え付けるにはその術式を持ってる術師の心臓を食べなきゃならない。
俺もできれば殺りたくないんだか…術式を手にいれるためには相手を殺さないといけない。」


余程勝算があるらしい。ニヤニヤと余裕そうだ。
五条さんはというと、私がいるせいで下手に動けないみたい。


「五条悟、お前も気づいてるだろうがこの女の術式は特級品だ。
それ故殺すのも一苦労。でもね、最近殺した術師が良いもん持っててね。

強制的に睡眠や覚醒を、操作できる術式だよ」


そう言いながら近づいてきたソイツは、私の腹を蹴りあげる。

激痛と、出血と、吐血。

フラッと意識を失いそうになったのに、気絶はしなかった。朦朧とする意識の中、呪詛師が得意気に五条さんに話しかけているのが見える。


「コイツも気絶さえさせなければ殺せると思わないか？」


舌打ちする五条さん。多分キレてる。


「はっ！
俺的には建物ごと全部吹っ飛ばしちゃえば解決だ」


確かに。私も五条さんも多分死なないだろう。


「それでいこう、五条さん」

てか、俺って言うんですね
はちょっと空気読めてないから黙っておく。


すると豪快に笑いながらナイフを私の首に突きつける呪詛師。


「じゃあ俺が建物に潰されるのが先か、この女の首を切るのが先か。試してみるか？

俺と俺の術式が生きてる内に女の首が飛べばゲームオーバー、アンタの負けだけどな。」


「ﾁｯ…

…俺にどうしてほしい」



「はは、ようやく状況が理解できたらしいな。
お前は一歩も動いちゃいけないよ。
たとえ何されてもね。術式も、反転術式も禁止だ。」


その言葉を合図に、圭が呪霊を出して五条さんを攻撃する

「呪霊操術か。いいもん持ってんじゃん」

そう言ったきり、五条さんはされるがままだ。
ボコボコにやられている。

私にできることなんて…
どうしよう、五条さんが死んじゃう。

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