第069話・泥のフィールド ページ23
翌日の練習、合体必殺技に熱が入る豪炎寺。怖いくらいだ。
豪炎寺から事情を聴いたであろう円堂も集中できていないようだった。
さらにその翌日、練習を始めようと玄関先に集まっていると決勝戦相手が決まった、と目金が駆けて来た。
「そう言えば、今日は韓国とサウジアラビアの準決勝の日だな」
「で、どっちが勝ったんだ? 韓国か? サウジアラビアか?」
目金がもったいぶると綱海が「早く教えろ!」と怒る。
「か、韓国です! しかも、4対0の完勝です!」
優勝候補と名高い韓国代表に賛辞の言葉が零れる。
決勝の相手を聞いていたのか、いないのか円堂は豪炎寺を見つめており、風丸に名前を呼ばれ振り返ると、イナズマジャパンのみんなが円堂を見ていた。
「ああ! そうと決まればみんな、早速必殺技の特訓だ!」
「その必要はない」
と現れた久遠。
彼に連れられる形でグラウンドへ行くと、フィールドが様変わりしており、栗松が指を突っ込み確認するとどうやらグラウンドは泥の状態になっているようだった。
「どういことですか? こんな泥の中で練習をしろなんて」
「それより必殺技の特訓をすべきじゃないですか? 吹雪たちの連携必殺技だってもう少しで完成するんです」
風丸の意見に吹雪と土方も頷く。だが久遠は「必殺技の特訓は必要ない」と一蹴。
「でも監督!」
「お前たちは言われた通りにしてればいい」
有無を言わせない久遠の態度、泥のグラウンドに誰もが入るのを躊躇している。急かす久遠に対し、誰よりも先に入ったのが豪炎寺だった。
彼は悠然とした表情でボールを泥の中でドリブルを始め、彼につられるように円堂も泥の中に入り2人でパスを始めた。
2人に促される形で全員が泥の中へと次々に入って行く。
「……オッサンいつの間にグラウンドこんな状態にしたの?」
「私はオッサンではない」
「え、ツッコむとこそこ?」
「お前も速く入れ」
「はーい!」
泥のフィールでの練習は、無論普段通りに動いていても四苦八苦するばかりである。ドリブルもパスもシュートも、皆うまくいかない様子である。
ユニフォームが汚れるのはまだいい。だが一度転ぶと顔や目、口の中にまで泥が入ってくる始末。綱海や壁山にいやっては全身泥まみれになってしまった。
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夜空(プロフ) - 続き楽しみにしてます。天界の使徒の方で。 (2022年8月27日 23時) (レス) @page44 id: 9767c8e410 (このIDを非表示/違反報告)
フラッペ(プロフ) - これからも続きを楽しみに待ってます!アフロディ好きやわ〜( ^^ )あ、天界の使徒に一票! (2022年8月27日 22時) (レス) @page44 id: 9679665185 (このIDを非表示/違反報告)
ナナ(プロフ) - これからもイナクロ編やGO編を楽しみに、陰ながら応援しています!まだまだ暑さが残りますのでお体に気をつけてお過ごしください、! (2022年8月27日 16時) (レス) @page44 id: afad41e22a (このIDを非表示/違反報告)
ナナ(プロフ) - コメント失礼いたします...!いつも更新される度に即飛びついて拝見させていただいています。元々アンケートはアフロディに投票していたのですが、今回の告白編を読んでさらに好きになりました。アフロディに500票ぐらい入れたいです。笑 (2022年8月27日 16時) (レス) @page44 id: afad41e22a (このIDを非表示/違反報告)
サカナ - 素晴らしい作品をありがとうございます!応援してます‼︎ (2022年8月25日 2時) (レス) id: 1825304d78 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:活字不足卍 | 作成日時:2022年5月30日 16時