検索窓
今日:14 hit、昨日:17 hit、合計:22,874 hit

第304話・風のしらせ ページ21

「そういえば風丸さ、FF優勝したら聞いてほしいことがあるって言ってたじゃん? あれ結局なんなの?」
「ッお、おぼえていたのか…?!」

 Aに聞かれた途端顔を耳まで真っ赤に風丸に「リンゴみてー」と思ったAは唐突にアップルパイ食べたいと思い立つ。

「アップルパイ…」
「お腹空いたのか?」
「この時代はコンビニスイーツが充実していないのが辛いよ〜」
「この時代?」
「いえ、なんでもない!!」

 その場を濁しつつ本題へ移る。風丸の伝えたいこと、聞いてほしいことだ。

「あ、いや……」
「早くゲロっちまいな〜? その方が楽になるぜ」

 ニヤニヤしながら俯く風丸の顔をの覗き込んだ。すると彼はいつも以上に真剣な顔をしてAに向き直った。








「―――俺、Aがすきだ」
「…うん」
「たぶん1年の頃から、おまえのこと好きになってた。おまえがいつも楽しそうなところも悩んだり、迷ったりしているところも。俺はAが強いと思っていた、けど違うよな…俺と同じ14歳の中学生だもんな。お前だって苦しむことだってある…俺はそれを失念していた。だからエイリア石に頼って、お前に認められようとしていた」
「うん」
「正直、好きだから付き合いたいとかは思っていない。ただの自己満足だ。自分勝手だ。―――それでもAが好きなことを知っていてほしかった」

 夕日はすでに地平線へと消えかかり、空は紫色をの雲を映し、一番星が輝いている。2人の間に風が吹く。
 そして風丸は彼女の答えを待った。



「…風丸の気持ちには、答えられない」
「……」
「私はまだ、あの人との決着をつけていないから。私は私のケジメをつけなきゃ…まだ進めない」
「そうか…」


「だから、風丸がその後でも私を想ってくれるのなら……曖昧にしないで、ちゃんと君の気持に答えるから」

 その間、風丸に好きな人が出来たら自分のことは忘れていい。自分の答えを聞くまで待つなんてことはして欲しくない。
 と彼女は風丸に伝えた。風丸もそれに納得し、少し面映ゆい雰囲気を残しながら2人は帰宅した。

あとがき→←第303話・彼の聞きたいこと



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (64 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
401人がお気に入り
設定タグ:イナズマイレブン , アニメ沿い , 女主人公   
作品ジャンル:アニメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

活字不足卍(プロフ) - ここで衝撃の事実パート2。好きな声優さんは緑川光デス!好きなガンダムはブルーディスティニー1号機! (2022年6月9日 1時) (レス) id: 63abfde266 (このIDを非表示/違反報告)
Rico(プロフ) - 本当にすいすい読めてしまいました。すごく面白いし、読みやすいです。これからもがんばってください! (2022年2月9日 20時) (レス) @page23 id: 3a6a1a4cba (このIDを非表示/違反報告)
サクラ(プロフ) - 世界編とかでもっとかっこ良くなってくるので、お願します。 (2022年2月9日 12時) (レス) id: e2ae709354 (このIDを非表示/違反報告)
サクラ(プロフ) - 凄く面白かったです。世界編楽しみにしてます。もう一度誰落ちアンケートしてほしいです。みんな (2022年2月9日 12時) (レス) id: e2ae709354 (このIDを非表示/違反報告)
ゆりりん(プロフ) - 見てます!今でも更新される度見てました!とりあえずエイリア編完結おめでとうございます!更新が私の生きる糧なので続きもどうぞよろしくお願いします。 (2022年2月8日 16時) (レス) @page22 id: 9679665185 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:活字不足卍 | 作成日時:2022年2月4日 22時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。