転生者は、前進する Lv.3【イナズマイレブン】

第121話・吹雪の様子 ページ28

翌日。Aは鬼道たちと共にフォーメーションの練習に参加した。
今日の特訓だけでも相当レベルを上げ、スピードや体力も確実に強化されているのが目を見てわかる。

「よし、10分休憩しよう」

鬼道の号令でフォーメーションの練習に参加していた壁山、栗松、目金、木暮がその場に崩れた。土門や塔子、さすがの一之瀬も息切れをしている。
マネージャーたちからドリンクをもらい休憩をする一同。
その中でも、一人だけ肩が激しく上下するほど息切れをし火照った顔をしている人物がいた。…Aだ。

「A、この後吹雪を入れてフォーメーションの確認をしたい」
「……」
「A？」

何度読んでも返事がない。再度鬼道が名前を呼ぶとAはハッとして笑みを浮かべながら返事をした。

「どうしたの？」
「あ、いや…。どうした、ぼーっとして」
「別に何でも。それで、用件は？」
「この後吹雪を入れてフォーメーションの確認を…」
「ほいほい、りょーかい！」

いつもの様子に安堵する鬼道。だがやはりどこか様子が変なA。

鬼道は吹雪を呼び、フォーメーションの確認の練習に参加させた。
吹雪のディフェンスのセンスは、鬼道の思う以上のものだ。
(吹雪が2人いてくれたら)と考えた矢先、吹雪のプレイが止まった。

「どうした吹雪？」
「…やめだ……。こんなトロいことやってられるか！！」

そう言って吹雪はシュート練習をするトレーニングルームへと駆けて行ってしまう。
心配になり吹雪の様子を全員で覗きに行くと、烈火のごとく苛立ちをまき散らすかのようにシュートを撃ちこむ吹雪がいる。

「イプシロンのキーパーにエターナルブリザードを止められたのが、よっぽど悔しかったんですね」
「しばらく収まっていたスタンドプレイも復活ね。まあ、それも魅力と言えなくもないけど…」
「まさか、染岡くんの離脱が影響しているの…？」

「今は吹雪の思うようにさせよう。あの意気込みが試合に良い方に出るかも」
「ああ…」

口々に吹雪を心配する様子の一同は、先ほどのトレーニングルームへと戻る。

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