転生者は、前進する Lv.3【イナズマイレブン】

第119話・紫の粉末 ページ26

「いや、ごめん。まあ、漫遊寺の時から何かと目の敵にされているような気は私も感じていたから。でも私が雷門の敵になることは絶対にないよ。…絶対に、ね」
「？ そう」

若干意味深に発言するAに対し不思議に思いながらも返事をした秋。
そしてナニワランドの地下施設を使い特訓が始まった。吹雪はシュート、円堂はゴールの個人錬に。残ったメンバーは鬼道の指揮のもと目金が最初に体験したトレーニングマシーンでフォーメーションの確認などを行っていた。また風丸は同じマシーンでも一人で練習をしていた。


しばらくしてお昼になったようで、ギャルズの1人GKの土州が差し入れを持ってきた。

「大阪名物大集合！ 美味いもんサミットや！」
「う、うわぁ…重っ……」

たこ焼き、お好み焼き、串カツ、大阪イカ焼きにギョーザ。見事に油っぽいものばかりが集合している。
それを飢えたハイエナのごとく貪る男子たち。

「カロリーの心配なん？」
「私食べても太らないから(その分動くし)」
「何やと？！」
「え、えー…」

若干怒りを顕わにしたリカが食って掛かって来た。
(普段からへそ出しユニフォーム着てるくせにスタイルの心配するんだ…)と苦笑いを零した。
円堂と壁山が30回噛むことを守っていると、ふと吹雪がいないことに気付いた。

「俺呼んでくるよ」
「なら、私も」

円堂と秋が吹雪を呼びに行く。そんな彼らを見つめAは立ち上がった。

「あれ、Aさんもういいんですか？」
「粉物はお腹に溜まるから少しで十分だよ」

そう言ってその場を去ったAは、施設の探検に出た。

(この施設がエイリア学園のものなら、やっぱり作中で描かれていなかった部分を見たくなるのはオタクの性ってヤツかな…)

内心ワクワクしながら施設を見回っているとAは奇妙なものを見つけた。

「…これは…」

それは粉のようなもの。紫色に光っているようにも見える。


「ハッ…これは青酸カリ？！……やめよう、ツッコミ不在だと虚しいだけだ」

とはいえ、おそらくその粉はエイリア石を擦ったり、削った時に付いた残りだろうと考えたA。危険なものなので人知れず掃除をしたのだった。

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