転生者は、前進する Lv.3【イナズマイレブン】

第106話・旋風陣 ページ13

「そうだ！ 皆さんに報告があるんです！」
「報告？」
「木暮くん！ 出来ちゃったんです！」
「出来ちゃったって何が？」
「まさかこど―――」
「イプシロン戦で見せたディフェンス技か」
「そうなんです！」
「うっしっしっし」
「すごいじゃないか、木暮！ 見せてくれよ」
　Aの言葉に完全に被せて来た鬼道。

「え、みんなスルー？」
「A、後でその面を貸せ」
「うわぁあ死刑宣告？！ ごめんなさいごめんなさいごめんなさい！」

こうして木暮のディフェンス技は披露された。逆立ちのまま高速回転し、次々に飛んでくるボールを素早くさばいていく。
目金が『スパイラスレッグス』と名付けようとすると「ダサい」と一蹴りし技名は木暮自ら付けた『旋風陣』に決まった。

「旋風陣かぁ、うん！ いい名前だ！」
「これからの戦略にも幅が出来そうだ」

風丸に支えられ染岡が木暮の元へ歩み寄る。イプシロン戦へ向けエールを送り握手を求める染岡。そんな彼に木暮は、雷門へ来て良かった。と言って握り返す。
━━━すると、染岡が錆びついた人形のような動作で自身の手のひらを見つめた。そこには何と、リアルな芋虫のおもちゃが


「うあぁああああ？！！？ 木暮ぇぇぇぇえええええ！！！」


走れない染岡にうっしっし、と笑う木暮。そんな光景を見て相変わらずだと苦笑いを零した秋。


「よーっし、みんな！ 木暮に続け！ この勢いでもっともっと強くなろうぜ！」
「「おう！！」」
「俺さサッカーやっててよかった。染岡とも出会えたし、こんなに仲間が増えた！ サッカーってやっぱ面白れぇって思った！ だから、宇宙人にもサッカーは楽しいんだって教えてやろうぜ！ そうすればみんな平和にサッカー出来るじゃないか！」
「おぉ！ 賛成ッスよキャプテン！」
「お前も、楽しもうってよく言ってたよな」
「まあね」
「みんな！ 練習再開だ！！」
「「おおっ！！」」

こうして雷門イレブンは、杉森、シャドウを加えながら練習を再開した。

第107話・鬼道邸にて→←第105話・染岡の撤退

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