第066話・今の間は? ページ20
Aたち雷門イレブン一行はサッカー部の道場を目指し廊下を歩いていた。
「にしても本当お寺みたいな学校だね、雨の日とかすぐ休校になりそう」
「A、学校壊れて嬉しいと思ってるか…?」
「……………………」
Aは視線を逸らして言った。
「いや、ぜんぜん」
「何だ今の間は!!」
正直なところ、義務教育を二回もしなければならないと思うと億劫で仕方がない。円堂たちとのサッカーは楽しいし、部活があると思えば行く気にもなれる。だが、勉強は出来るとはいえダルくて仕方がないのが本音のAだった。
しばらく廊下を歩き奥へ奥へと進んでいくと「蹴球道場」と書かれた離れを発見した。
「あれじゃないかしら?」
「みたいだな」
「間違いない! よし、行くぞみんな!」
「廊下は走らない」
優勝候補にすら上がるほどの実力あるチームであることがとても気になるのか円堂が先頭を切って駆けて行く。無論、Aからの忠告は耳には届かなかったようだ。
「だぁ?!」
「ぐあ??!
「い"!?」
「むっ?!」
「ぶえぇ?!」
「うぉ?!」
「うあ!?」
「す、すまん!!」
円堂、染岡、塔子、土門、栗松、目金、壁山、風丸が将棋倒しのように倒れていった。それを見たいた秋と鬼道、吹雪、春奈、夏未は頬にひと汗かき呆れていた。Aはというと彼らに背を向け肩を引くつかせ笑っていた。
「重い……重い重い重ーい!!」
壁山の下敷きになった目金は必死にもがく。壁山が上から退き春奈が目金の脚の様子を見る。
「だいじょう―――」
「大丈夫じゃないですよ!」
「ですよね…」
「グキッて言いましたよ! グキッって!!」
「す、すいませんッス……」
壁山はその巨体をとてもとても小さく丸め目金に謝った。
「何でここだけツルツルしてんだよー…」
「これは…」
「ワックスだね」
「ワックス?!」
「私の忠告聞かないからだよ」
「うっしっし!」
愉快そうな笑い声が背後から聞こえ振り返ると、茂みからちんちくりんな少年が「つるピカール」というワックスを手に持ってこちらを見ていた。
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活字不足卍(プロフ) - アリガトーアリガトー 今日もコーラが美味い! (2022年6月9日 1時) (レス) id: 63abfde266 (このIDを非表示/違反報告)
ゆりりん(プロフ) - 54話はた○く細胞のことですよね?それにしても本当にこの小説好き!! (2021年1月25日 20時) (レス) id: 9679665185 (このIDを非表示/違反報告)
アリア - 作者さん、ボロくそ分かるぞそれv2さすがにそこまでは、いかないけども確かにさっくん(佐久間)も好きじゃ。でもね我の最推しは、神様仏様 "照美様" です!!(語彙力なくてすみません) (2019年8月8日 10時) (レス) id: baae3e32b1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:活字不足卍 | 作成日時:2019年7月31日 0時