第212話・♡お♡て♡が♡み♡ ページ33
会ったこともない曾祖父に対し、興味は沸かないけれど、
ここまで邪悪であるのなら、いっそのこと清々しさすら感じる。
まるで小説の中のようではないか。
一通り、九重家の見解は分かった。
現当主である大叔父はAに対し、何かするつもりは一切なく、
もしなにかあれば報告・連絡・相談をしてほしい、とのことだった。
そして二枚目の手紙は、藤からだった。
以前から藤には頼みごとをしていた。おそらく大叔父である竜広はそれを知ってのことで今回の手紙を寄越したのだろう。
藤の手紙はとても達筆な文字と丁寧な文章が育ちの良さを体現していた。
内容については、竜広の手紙を誤解しないで欲しいとのこと。
誤解自体は3枚目で既に晴れているが、やはり勘違いしたままだと可哀想だと思ったのか、
竜広はすでに『九重A』のいちファンであることが延々と綴られていた。
丁寧なのだが、とても必死な感じでそれが面白くなってしまい、夫婦仲が良好なことが伺えた。
そして最後のほうで、Aの頼みごとの返答が短く書かれていた。
━━━━━━『愛知県にて、発見しました』
とのことだった。
「すぅ……はぁ〜〜…愛知、かあ…」
「なにが愛知なんだ?」
「!? 有人…」
背後から突然声をかけて来たのは鬼道。
誰からも気づかれていないと思っていたし、人の気配がここまで近くなってやっと気づくなんて、とAは自己嫌悪した。
このことは、絶対に誰にも教えられないのだから。
驚いたせいか、未開封の手紙を彼の足元へ落としてしまった。
「落としたぞ」
「ありがとう」
先ほどまでは実家の関係だったが、宛名を見るとなんと亜風炉照美、と書かれていた。
「アフロディ!?」
「なに?」
「なんであるの? こえぇ…」
「内容は?」
「何てきたんだ?」
驚くAが声を上げると、鬼道、風丸、豪炎寺、ヒロト、佐久間、不動、吹雪が寄ってきた。
第213話・照美ちゃんオカシイヨ→←第211話・本家のめんどくせぇところ
531人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
活字不足卍(プロフ) - ごめんちゃい………でも頑張って10月中に出すよ! (2022年10月21日 23時) (レス) id: 251c6e8c34 (このIDを非表示/違反報告)
活字不足卍(プロフ) - 極端に言うとほぼ今日から書き始めました (2022年10月21日 23時) (レス) id: 251c6e8c34 (このIDを非表示/違反報告)
雪女 - 更新楽しみにしてます。 (2022年10月9日 21時) (レス) id: 883542d863 (このIDを非表示/違反報告)
フラッペ(プロフ) - お仕事大変なのに更新ありがとうございます。生きる糧なので続きを期待して待ってます! (2022年10月8日 18時) (レス) @page37 id: 9679665185 (このIDを非表示/違反報告)
夜空(プロフ) - 続き楽しみにしてます。頑張ってください。 (2022年10月8日 14時) (レス) @page37 id: 9767c8e410 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:活字不足卍 | 作成日時:2022年9月22日 21時