第163話・がんばって ページ28
「あれをやるぞ、不動…」
「あれを？ ここでか？」
鳩が豆鉄砲を食ったような顔をする不動。
「影山の野望を打ち砕くには、それしかない」
「へぇ…」
鬼道の決意に笑みを浮かべる。
「しかしあの技は未完成だ。上手くいくかねぇ？」
「できるさ」
「！」
「俺たちが影山の作品でも人形でもないなければな」
「…ヘッ、確かに。奴に突き付けてやるには丁度いいかもしれねーなぁ」
何かを企む鬼道と不動の様子を見ていた佐久間は首を傾げる。
フィディオのスローイングから試合は再開され、ボールは鬼道へ渡る。
「行くぞ、不動！」
「おまえこそ！ 遅れるなよ！！」
敵陣地へ2人で切り込んでいき、鬼道がセンタリングを上げ不動共に
一緒にシュートを放つが惜しくもゴールを逸れてしまう。
「今のはっ…！？」
2人のタイミング、体制、動作から佐久間は2人が何をやろうとしているのか察したようだった。
「っ失敗か…｣
「なんで、上手くいかねぇ！｣
「鬼道、不動！ 今のシュート……まさか！！」
駆け寄る佐久間に鬼道は頷く。
そう、このシュートは以前からアルゼンチン戦への秘策として2人が密かに練習していた必殺技。
「2人で特訓していた必殺シュートだ。だが、見ての通りまだ完成していない…！」
「チッ…これなら影山に一泡吹かせられるってのによ…！」
「まさか2人がそんなことをしていたとはな」と腰に手を置き笑う佐久間。
「すまない、不動」
「あ？」
「俺は今まで、何処かお前を疑っていた。いつか裏切るんじゃないかと…」
佐久間に突然謝罪され驚いた不動だが、これまでも誠実な対応をしてきたとは言い難い。
誤解を解こうともしないために、疑われても仕方ないと不動自身も分かっている。
「だがその疑いはもうない。俺にも協力させてくれ不動、鬼道！！
俺たち3人なら、そのシュートを完成させられる筈だ！」
「おまえ…」
「佐久間…！」
「いいじゃん」
「！ A」
「ディフェンスラインは私が支える。━━━━がんばって」
Aからの精一杯のエールが彼らの背中を押す。
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皇(プロフ) - 一番最初から全部読みました。最高です。しかもまだまだ続く…！やっと追いついたので本日の一言も始めてみましたがとても面白かったです。これからも更新頑張ってください！✨ (2022年9月22日 9時) (
レス) @page38 id: 84ae00d6d7 (このIDを非表示/違反報告)
フラッペ(プロフ) - 本日の一言が好きすぎる (2022年9月14日 23時) (レス) @page23 id: 9679665185 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：活字不足卍 | 作成日時：2022年9月11日 16時
