第146話・開会式 ページ6
翌日、風丸がサッカー部を辞め陸上部に戻ると言う話が部室内で広まっていた。
Aは、昨日土門に風丸ことを聞かれても話すことはなく「試練」とだけ伝えた。だがどこからか流れ出たウワサで一年生たちが不安そうな表情をする。明日から全国大会も始まるこの時期に風丸が辞めるという話は、部員たちを不安にさせた。
そんな風丸だが練習では、昨日よりもキレのある動きをして『炎の風見鶏』にも磨きが一段とかかっているようだ。
「何か覚悟が決まったような感じだね」
「…ああ。俺は、一回戦…いや全国大会を勝ち進むことを決めた。だからそれを宮坂たちにも見てほしいって思った」
「…そっか」
吹っ切れた表情の風丸は以前にも増してカッコよくみえた。そんな中、夏未に電話がかかって来た。内容は理事長が事故に遭ったというものだった。円堂、秋、夏未が練習を途中で抜け、他の選手たちは練習を再開した。
そしてその翌日、フットボールフロンティア全国大会の開会式が行われた。
「とうとう来たぞ! 今日まで色んなことがあったけど…ここまで来たら、思いっきり! 暴れてやろうぜ!!」
「「オオォーッ!!」」
「壁山! トイレは大丈夫か!」
「さっき行って来たッス!」
「みんな頑張ってね! 理事長さんのためにも!」
雷門が呼ばれ、整列し入場ゲートを潜る。そこには地区予選とは別の観客で詰めつくされた会場と、日のあたる広々としたグラウンドが広がっていた。
解説である角間王将が雷門中の紹介をする。
『雷門中学は、地区予選大会においてあの帝国学園を下した恐るべきチーム! 伝説のイナズマイレブン再び、と注目が集まっております!!』
「あぁ〜なんか見ているこっちが緊張する〜、息子を見守っている感じ」
「息子って…Aさん、まだまだ若いんだから…」
全国のステージに立つ雷門イレブンを見ていると、どうにも母性本能か、庇護欲かがくすぐられてしまうのかAはどうにも彼らを自身の子供のように扱っている節がある。
帝国学園も入場し、最後に推薦校として世宇子中が入場するはずが…世宇子中学は現れなかった。
世宇子中学は、本日調整中の為開会式は欠場しているようだ。情報通の春奈や、他校に詳しい角間すらも知らない謎の多きチーム―――世宇子中学とは、一体…
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活字不足卍(プロフ) - 工エエェェ(´д`)ェェエエ工 (2022年6月9日 1時) (レス) id: 63abfde266 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:活字不足卍 | 作成日時:2019年7月11日 2時