第178話・練習は嘘を付かない ページ39
アメリカの幼馴染組を置いて、Aたちは雷雷軒へ向かう。そんな中豪炎寺は自分は木戸川清修の選手たちに恨まれて当然だと言い出した。
「豪炎寺…」
「そんなことないって! お前はサッカーから逃げたわけじゃない! だから恨まれる理由なんかないんだ! そうだろ? 豪炎寺」
「円堂…!」
豪炎寺は情けなさそうに笑みを浮かべる。
雷雷軒についてから再びの作戦会議を開いた。今回のことでおそらく奥の手であろう『トライアングルZ』を自ら放った武方三兄弟についてだ。
「問題はあのパワーとスピードをどう阻止するかだな」
「『トライアングルZ』か」
「あんなすごい技みたことないですよ。でもAさんはあっさり止めちゃいましたけど…」
「今まで対戦した中でも最強のシュートじゃないか?」
「うん。パワーの比較をするならデスゾーンより強力だね」
「実際受け止めてどうだ?」
鬼道に問われAは呆れたように「軽い」と呟いた。
「軽い?」
「恨みやそんなので強くなった力なんて、重くもなんともない。軽すぎて笑いが出るよ。まあ、でも…パワーはある」
気持ちとしては、軽いシュート。だがパワーとしては、重いシュート。それを聞いて風丸たちが頭を悩ませる。
「大丈夫! 試合では絶対止めてみせる!」
「本当に出来るのか?」
「根拠は?」
「死に物狂いで練習する!」
円堂の言葉はいつも通りで風丸と宍戸が椅子からずり落ちた。鬼道も苦笑いを浮かべる。
「ものすごく単純な理論だな…」
「円堂の言うことも間違っているわけじゃないぞ。サッカーの中で絶対に嘘を付かないものが一つだけある」
響木は「何だと思う?」と円堂たちに問う。
「練習だ。練習で得たものしか、試合には出てこない」
「確かに。それは正論ですね」
「よーっしっ! 明日から特訓だ!!」
そうして翌日からトライアングルZを意識した特訓が始まった。円堂はイナビカリ修練場でボール発射装置で若干いつも以上に無茶な特訓をしていた。
「気合が入ってるな、円堂」
「その気合が空回りしなきゃいいけど」
「心配なのか?」
「それなりに。試合前に怪我されても困るでしょ?」
「…そうか、そうだな」
円堂を遠くから見ていた風丸とAはそれぞれの特訓へ戻った。
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活字不足卍(プロフ) - 工エエェェ(´д`)ェェエエ工 (2022年6月9日 1時) (レス) id: 63abfde266 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:活字不足卍 | 作成日時:2019年7月11日 2時