だぁかぁらぁ！俺は厨二病じゃねぇ！

座右の銘 ページ41

ノーサイド




突如大声を上げた平賀。


彼は、祖父の意思を継いで淡々と言う。


先程の叫びとは違い、その声は静かだ。


だが、温度もない。


塵を見るような目で、杉本を見る。




『お前は人を守るべきなのに、人の命に終焉を告げた。禁忌を犯した。踏み込んではならない闇に足を突っ込んだ。それをまた、どうして素直に認めようとしない。何故今お前は俺にそれ(銃)を向けている。何が惜しい、地位か。矜持(プライド)か。それは人の命よりも重いものか』




呆然とする杉本に、


太宰の合図を受けた中島が飛びかかり、


そして拘束した。


連行される杉本の背を見ながら、


平賀は俯き、ぐっと唇を嚙む。


あの時、まだ、死にたくなかった。


彼方側(前世の世界)で生きていたかった。


そう、彼は思っていた。


警察署の取調室まで来て、


彼はようやく顔を上げた。


杉本は全てを自白した。


殺された山際は議員の汚職を追っていたこと。


彼がその議員のスパイだったこと。


山際を脅して証拠を奪おうとしたこと。


そして彼女を、誤って殺してしまったこと。


嗚呼、この人は警察官ですらなかったのか。


平賀の心がスッと冷えた。


そして、１つ目標を掲げた。


正義を翳して人を殺す奴らを、


本気で処すと。


この瞬間に、彼の座右の銘が決まった。




《正義の牙は引っこ抜け》




、

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