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お待たせしました。
〜〜〜〜〜
────例えば。それが偶然ならば。『
……彼は。助けて欲しい時、会いたくない時……彼を想う度に、都合良く現れる。
あまりに奇々怪々。流石に誰だってそう思うはず。相手が身内や友人でないのなら尚更……
……
……なのに、嫌ではない……。寧ろ、心のどこかで"嬉しく"思っているのは。その理由は。きっと、彼に特別思う事があるという、証明になる気がして。
…………ああだから、本当に……『
.
「────A?どうかしたか?」
…別に、意識が飛んでいたとかそういう訳では無いのだけれど。……ただ、少しぼぅっとしていたらしい。
どうかした…と問われれば、まあ……驚いたとか、どうして此処にいるのとか。……けれど、とりあえず……
「…こんにちは。……"お嬢さん"って呼ぶの、やめてくださいって前にも言いましたよね…?」
挨拶。からの文句を一つ。フードの中から放ってやった。
彼は一瞬大きく目を開けた後、にやりと笑った。
「…あぁ、そうだったな─────悪い悪い」
と、彼は……キバナさんは。反省のはの字すら伺えないような、羽のように軽く会釈をした。
……まあ、対して何も言えない……というより言わない私は。代わりに態とらしく溜め息を吐いてから話し出した。
「……それで、どうして此処にいるんですか?」
するとキバナさんはきょとんとして、こう答えた。
「ん……?知ってて来たんじゃねえのか?」
「どういう事ですか…?」
私が聞き返すと、彼は私が本当に何も知らないと分かって、些か愕然としていた。
そんな彼の様子を見て不思議に思い、辺りを見回してみる。……私が休憩していた壁…は、他にも増して古風な建物だった。
……というより、まんま中世のお城のような。スタジアム程大きくはないが、それでも物見台などもあって…。
「……此処はな」
建物を見上げていた私に、彼が口を開いた。
「────宝物庫。"ガラル地方の歴史が眠る場所"…………って、聞いた事あるだろ?」
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作者名:のりゆ x他1人 | 作成日時:2020年5月1日 23時