検索窓
今日:1 hit、昨日:9 hit、合計:46,766 hit

216: ページ32

.




「────。」




戦いの蹄が残るフィールドの中央に、両者向かい合う。


面をかぶった少年がもじもじしながら、重たい袖から覗かせた小さな掌で差し出した黄金の欠片……ジムバッジには闇夜を掴んだ宝石が光っていた。



「……すごい…………すごく……強かった…」



そう言って、随分疲れたように息を漏らした。他方、ジムチャレンジャーの少年も呼吸を整えてから受け取った。


真剣勝負をした後の相手に、真正面から褒められることなんて慣れておらず、少年は戸惑う。


何と答えればいいのか分からず、代わりにはにかみながら手を差し出した。面の奥底の瞳に映る。


ジムリーダーの少年は恐る恐る、その手を掴む。次第にぎゅぅっと力が込められた。



「………ありがとう…!」


「…こちらこそ!」




ワァッ──!!!!と会場が熱狂する。チャレンジャーとジムリーダー。挑む者と挑まれる者。勝者と、敗者。


………けれど、この時だけは────仲の良い友達ふたり。誰の目にもそう映ったであろう。











………一人は顔を。一人は性別を。



お互いに隠しているものがあるからこそ───通じ合う何かが、あったのかもしれない。







.






.




────
───
──



<Aside>





「とはぁ……っ」



更衣室のベンチに腰をかけると、同時に溜め息の塊が溢れる。ただ今回は"楽しかった"という気持ちが大きかった。


単純に、今までで一番歳が近いと思われるジムリーダーとのバトルだったからか。それとも……具体的では無い、もっと別の理由か。


……何にせよ、心の底から"良い試合"だったと、"また戦いたい"と、言えるような時間だった。





「……………。」




握られた手を開くと、輝くジムバッジがある。これで────四つ。


もう、なのか。ようやく、なのか。折り返し地点に辿り着いた。……あと半分。











……はやく、はやく終わらせないと。それは心に刻んでいる。




…………なのに………"終わって欲しくない"……なんて……





「……姉さんが聞いたら、怒るだろうな…」




鏡に映った自分の髪に、姉の面影がある……ような気がして。私は直ぐにフードを被った(髪を隠した)

217:→←215:



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (29 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
89人がお気に入り
設定タグ:ポケモン剣盾 , キバナ , pkmn夢   
作品ジャンル:アニメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:のりゆ x他1人 | 作成日時:2020年5月1日 23時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。