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<Aside>
「痛い目見たくなけりゃ大人しくしてるんだな!!」
背後の低い声にそんなテンプレの脅し文句をかけられ、同時に牢屋へ突き出される。
牢屋…といっても、奥は行き止まりで周りは尖った岩に囲まれた場所。
ここまで抵抗も出来ずに連れられてしまった…。背後から目の前に来た男の姿は思ったより力は無さそうで、青緑色のおかっぱに無機質な全身タイツを着た…………個性的(?)な男性だった。
「…オイ、てめぇも入っとけ!!」
「ぅう…」
未だ震えている男の子は怒鳴られ、ふらふらと岩壁の隅にしゃがみ込んだ。
……よくよく考えれば分かったことだ。私が話しかけても気づかないフリをしたのは…………背後から近づく男から注意を逸らすため……。つまり、この子は囮にされているってこと。
よくよくでなくても、考えれば分かったのに……!!
「…よし………グレッグル!!!!こいつらを見張っとけ!!!!」
男はボールから出てきたポケモンに指示を出した。グレッグル…と呼ばれたポケモンは「ケケケッ」と笑いながら私達の前に立ちはだかった。
そして男はもう一つ、ボールを放り投げた。今度は……青銅の鏡のようなポケモンが飛び出した。
「ドーミラーは………コレにサイコキネシスかけとけ。ロトムの………あの電子機器と、ボールが3つ入ってる」
「ラー…!!」
ドーミラー……が紅水晶のような色に輝く瞳が見つめたのは、私のリュックサック。サイコキネシスは確か……強い念力を使う技。どうやらリュックサックが開かないように抑えているらしい。
もしかしたらユキハミたちが出てきてくれるかも……と思っていたのに、その希望は断たれてしまった。
その2体のポケモンに命令をし終わると、男は背を向け、この場を去っていった。
.
……さて。今が絶好のタイミングだよな…。
あの男がこんなにも早く目を離してくれるとは、不幸中の幸い。…………ポケモンに監視されてはいるけど、このポケモンたちをどうにかさえすれば、ユキハミたちを取り戻して反げk………………逃げることが出来る。
問題はこの2体のポケモンと…………横で蹲っている男の子。
…
……いや、ここで立ち止まってはられない!
私は意を決して───
「……こ、こんにちは…!お話しない…?」
───フレンドリー(?)に男の子に話しかけた。
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のりゆ(プロフ) - 陽香さん» サザンドラとボーマンダとバンギラス(サナギラス)とで迷ったんですけれど……サナギラスでした!!(笑)やっぱり復讐相手のあの人の"あのポケモン"に相性抜群の子にしたくて……((ゲフンゲフン (2020年4月6日 23時) (レス) id: f94e1d31e3 (このIDを非表示/違反報告)
陽香 - さ、サナギラス……!?なるほど!私はてっきりサザンドラとばかり思ってました(笑) (2020年4月6日 1時) (レス) id: 7be101f077 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:のりゆ | 作成日時:2020年4月2日 23時