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『終了────ッ!!!!』
終わりを告げるレフェリーの声とホイッスルが鳴り響いた。
「……A選手?A選手!!」
「───ぇ…?」
草むらで立ち尽くしていた私の元へダンペイさんが駆け寄ってきていた。
彼は固い顔を崩さないまま、口を開く。
「…えーそれでは。結果を発表いたします!!
A選手のポイントは─────」
.
「────5ポイントッ!!!!なので……ジムミッション、クリアッ!!!!」
───。
拍手するレフェリーとジムトレーナーに、ようやく……全身の興奮が冷めてきて…
…………足元に落ちているモンスターボールが目に入った。
拾って手に持つと、カタタと揺れる。その振動を感じてやっと………理解した。
「……つ、かまえたんだ…ぁ……」
思わず笑みが零れる。イーブイ以来、投げても投げても誰も入ってくれなかった私のボールに……!!入ってくれた……仲間になってくれた……!!
「ずむずむ!」
「……エレズン、ありがと…!!」
『褒めて褒めて』と言わんばかりにズボンの裾をくいくい引っ張るエレズンを抱き上げ、撫でる。
……が。ジムトレーナーたちの視線を感じてすぐさまボールに戻した。ごめんねエレズン、終わったら撫でくりまわしてあげるから…()
「……それでは。いよいよカブさんとのバトルです。頑張ってください!!!!」
そう言ったダンペイさんと、ジムトレーナーたちに見送られながら、私はいよいよ奥の通路へと進んだ。
☆★☆★☆
いつもの如く、真っ暗な廊下を…奥に見える白い光を頼りに進んでゆく。
光から流れてくる歓声も、三度目ともなれば少し慣れてきた……気もする。
けれど、静寂な暗闇から、喧騒の明かりの下へ行く瞬間はいつになっても不思議な感覚─────
.
「 ──── 。 」
白髪混じりの灰色の頭。皺の多い顔。けれど……光を真っ直ぐ睨む瞳が訴える情熱に……鳥肌が立ちそうになる。
エンジンスタジアム、ジムリーダー……カブ が、そこに、私の隣に立っていた。
「………。」
その燃える瞳が私を捕らえると、何も言わずに光の中へ駆け出していった。
ただ一瞬合ったその目は……勝負心に火をつけたような。
「────。」
息を飲み、彼の後を追いかけて。バトルの舞台へ登り上がった。
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のりゆ(プロフ) - 陽香さん» サザンドラとボーマンダとバンギラス(サナギラス)とで迷ったんですけれど……サナギラスでした!!(笑)やっぱり復讐相手のあの人の"あのポケモン"に相性抜群の子にしたくて……((ゲフンゲフン (2020年4月6日 23時) (レス) id: f94e1d31e3 (このIDを非表示/違反報告)
陽香 - さ、サナギラス……!?なるほど!私はてっきりサザンドラとばかり思ってました(笑) (2020年4月6日 1時) (レス) id: 7be101f077 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:のりゆ | 作成日時:2020年4月2日 23時