【ポケモン剣盾】ドラゴン使いと復讐者 act:3

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エントランスから一変、私一人しかいない更衣室。


今行われているジムチャレンジを待っているのもあって、前回前々回より余裕がある気がする。ゆっくりと着替えられるのは良いな。 髪の毛も落ち着いて纏められる。


……髪…伸びたかな……？


…男の子のフリをするなら、短く切った方がいい……って思っていたけど、やっぱり切らなくてよかった。


姉さんとそっくりだし、それに────




.




……さて…これでよし。最初より大分上手になったと思う…!!…………バンダナの中はくしゃくちゃだけど……()



前のジムチャレンジャーのバトルは終わったかな…？


早く行き過ぎたら、あの人が多い中で待ってないといけなくなるし……スマホロトムでジムチャレンジの中継を見てみようかな…？確かリュックの中に…。


……あ、あった…。……って、あれ？充電があと20%になってる…早くない……??


今のうちに充電しないと……ここ、充電出来るところあるかな……？





「コンセントならあそこ。でももう君の番だし、後での方がいいかもね。」



あぁ、そうなんだ………。





…






……はッ!!?今の私の声じゃない…!!((




声が聞こえた方……更衣室の入口の方へ振り向く。そこには、私と同じジムチャレンジャーのユニフォームを着た青年が立っていた。



「だっ……!!…………誰、ですか。」



思わず高い声が出たのを誤魔化すように低い声で言い直した。幸い青年は首を傾げることもなく……


…………ん…？この人何処かで…



「…………何、人の顔ジロジロ見て。」


「…ぁ、いや……なんでもない。」



あんまり見つめていたらしく、青年は怪訝そうな顔をしたので私は慌てて目を逸らした。


相手も私を知っているようではないし……知り合いじゃないと思うけど……うぅん…



「………あの、ジムチャレンジ。」


「…え？」


「ジムチャレンジ、俺終わったから。次君でしょ？」



眉をひそめながら青年は言う。顔は整っているのに、ずっと苦虫を噛み潰したような顔をして……バトルに負けたのだろうか？


どちらにしろ、あまり長居しても良いことはないよね。

私は軽くぺこりと会釈して、青年と更衣室を後にした。






「…………………つまらなかったなぁ」




更衣室の扉が閉まる寸前、そんな青年の呟きは隙間風に掻き消された。

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