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盛り上がった歓声が収まり、私もユキハミをボールに戻すと、改めてヤローさんに向き直す。
「君に……いや、君たちにとって、実りの多いポケモン勝負だったんだな!」
ヤローさんは首元のタオルで汗を拭うと、私に向かって右手を差し出した。
一瞬、なんのことか分からなくて戸惑ったけれど、直ぐに握手のことだと気がついて、慌てて私も右手を差し出した。
………ヤローさんの手は、私のより何倍も大きく、けれど力は優しくて。ふわふわのパンみたいな手だなぁと思ったしまう。
「……いやぁ!!こんなにハラハラするようなバトルは久しぶりだった!!」
「…あっ……その、ごめんなさい…。」
その満面の笑顔が眩しくて、私は思わず目を逸らしてしまう。
「?どうして謝るんだ?」
「…その……任せきりなバトルだったなぁ、と思って…」
ヤローさんの優しさとか、こおり状態を狙ったりとか…………自分で考えたんだけれど、運任せ すぎた。
しかし、ヤローさんは気にすることなく。逆に「はっはっは!」と高らかに笑いだした。
「Aさんは真面目なんだなぁ!!キバナさんが推薦するのにも納得だ」
その笑い声に流されそうになるけど………後で反省しないとな。
……それと。関係ないけど、凄い喋りすぎたのも今になって恥ずかしい。忘れてほしい()
握手を終えると、ヤローさんはポケットから……輝く金色の欠片を取り出した。
「ジムチャレンジにおいて、ジムリーダーに勝った証として、くさバッジをお渡しするんだな!」
……と、その欠片を私に手渡す。
「ジムバッジ8個集めるのが、ジムチャレンジ突破の条件。他のジムリーダーにも挑み、見事勝利を手にするんじゃ!!!!」
ヤローさんがそう言い終わると、観客席から拍手喝采が起こる。
『おめでとー!!!!』『次もファイト!!!!』
……という言葉も聞こえてきた。
…
……野次を飛ばす人は、嫌い。
姉さんが"ああなって"しまったのは、そんな人達のせいでもあるから。
……………………だけど。その時の、拍手に、私は胸がこそばゆくなるのを隠せなかった。
─────こうして。Aの、ジムチャレンジの始まりは無事、幕を下ろした。
.
〜〜〜〜〜〜〜
バトルシーン書くの、楽しい……
…誤字脱字があったらごめんなさい()
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のりゆ(プロフ) - 真白さん» ありがとうございます!!!!恐悦至極です…!!はい!更新頑張っていきます!!(`・ω・´)b (2020年7月8日 0時) (レス) id: f94e1d31e3 (このIDを非表示/違反報告)
真白(プロフ) - ふわああああ! 面白いですっ! 更新楽しみにしていますね! (2020年7月7日 15時) (レス) id: 3ab5c4a85e (このIDを非表示/違反報告)
のりゆ(プロフ) - 雪さん» ありがとうございます!!物語を楽しんでいるようで嬉しいです〜!!これからも楽しんで下さいね!!!! (2020年4月2日 20時) (レス) id: f94e1d31e3 (このIDを非表示/違反報告)
雪(プロフ) - 続編おめでとうございます!!主人公のお姉さんやボールから出てこない?ポケモンもですが、キバナさんの今後が気になります!!!!これからも応援していますね(´∀`) (2020年4月1日 21時) (レス) id: d49995ccec (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:のりゆ | 作成日時:2020年3月18日 20時